オフサイド7回は積極的な証拠 短期間で変化を遂げつつあるシャビ・バルサ

初陣を勝利で飾って見せたシャビ・エルナンデス photo/Getty Images

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監督交代は正解だ

勝てなかったロナルド・クーマン政権が終了し、新たにシャビ・エルナンデスが指揮官に就任したバルセロナ。今のチームを立て直すのは難しいとされているが、シャビは偉大なクラブのOBであり、初陣であるエスパニョール戦では1-0と初勝利を飾っている。

クラブにとって嬉しい白星となったエスパニョール戦だが、攻守においてクーマン政権とは全く別のチームになっている。

特に攻撃では魅力のあるサッカーを展開していた。ボール保持率は66%と高く、長い時間ミドルサードの主導権を握り、パスワークと選手の動き出しで相手を押し込むいわゆるティキ・タカであった。これもまたクーマン政権にはなかったことであり、早くもシャビが就任したことでのメリットが生まれている。

特に後方でボールを持った際の前線での動き出しが段違いだ。エスパニョール戦でインサイドハーフに起用されたフレンキー・デ・ヨングとニコ・ゴンサレスは常にディフェンスラインの裏を狙うことで相手のブロックを下げ、バイタルエリアを広く取ろうとしていた。そのおかげかミドルシュートも多く、攻撃陣が機能している。

積極的に裏を狙っているのはデータにも表れており、バルセロナはエスパニョール戦で7回のオフサイドを取られている。比較対象として直近のリーグ戦であるセルタ戦では2回、アラベス戦では1回とエスパニョール戦での多さが分かる。オフサイドを取られた時点で相手ボールになるため厳密にいえば失敗ではあるが、それだけチャレンジしたということであり、シャビがバルセロナに変化を加えていることが分かる。

前線でのパスワーク、選手それぞれの効果的な動き出しなど、クーマン政権では見られなかった攻撃での躍動が見られるシャビ・バルサ。監督就任後からそこまで時間はたっていないが、既にチームには変化が起きており、ミッドウィークに開催されるCLベンフィカ戦ではどのような戦いを見せるのか楽しみだ。

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