優秀なアタッカーだった頃の姿はない キャリック政権の初陣で先発を果たしたマルシャルの現状

ビジャレアル戦で先発したがインパクトを残すことができなかったマルシャル photo/Getty Images

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この起用は期待の現れなのか

シーズン途中での監督交代があり、今季は上手くいっていないマンチェスター・ユナイテッドだが、マイケル・キャリック暫定監督の初陣であるビジャレアル戦では見事、勝利を飾っている。クリスティアーノ・ロナウドの先制点は相手のミスを誘発させた形となったが、さすがの決定力を見せた。

そんなマンUだが、キャリック政権の初戦としてはこのスタメンは意外だった。もちろん、ミッドウィーク開催ということもあり、疲労が考慮されたと予想できるが、中心選手であるブルーノ・フェルナンデスがベンチスタート、前オーレ・グンナー・スールシャール政権では影の薄かったアントニー・マルシャルが左サイドで先発を果たした。

2015年にモナコから加入したフランス代表FWは、初年度からリーグ戦で11ゴールを決めるなど才能の片鱗は見せているが、翌年は4ゴールに終わるなど、継続した活躍を見せられていない選手だ。また、守備での貢献度は低く、現在では放出候補となっているといわれる。

このように現チームでは立場が悪いマルシャルだが、ビジャレアル戦ではその守備意識の低さはやや改善されていたか。積極的とまではいかないが、自陣に戻ってのプレスバックや他選手と連動した守備を行っており、これが継続されればまだ起用されることも増えるだろう。

しかし、攻撃面で違いを作れたかといわれれば印象は薄い。自身の武器であるスピードを生かそうにもボールコントロールが追い付かず、ボールロストが散見されている。また、低い位置でボールを持つことが多く、そこからパスを配球することもしばしば見られたが、その役割であればジェシー・リンガードを起用すべきだろう。彼もマルシャルと同じく放出候補だが、B・フェルナンデスと同様に攻撃を作れる貴重な戦力だ。

過去には優秀な若手選手に贈られるゴールデンボーイ賞を獲得した経歴を持つマルシャルだが、現状その影は薄くなってしまっている。トップクラブで活躍することは難しいが、攻守両面での改善は見られなければ、今後のキャリアも厳しいだろう。

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