進化するSBに見える日本人選手の“トレンド”は 山根視来や旗手怜央も該当

日本代表でも輝く山根 photo/Getty Images

アタッカーのSB化が増える

いわゆる“偽サイドバック”という、SBを中心とした戦術が浸透している昨今のサッカー界。そんな中で川崎フロンターレで主力となった山根視来や旗手怜央といった選手たちに共通し、今後のサッカー界でトレンドとなりそうな事象がサイドアタッカーのSB化だろう。

近年のSBは守備やハードワークだけでなく、足元の技術や攻撃センスも重要なポイントの1つだ。そこでサイドハーフやウィングを務める攻撃的な選手をSBに置くことで、持ち前の攻撃力を遺憾なく発揮させ、個人としての守備力の強化や中盤選手のカバーリング能力を上げることで相乗効果につなげるケースもある。

フロンターレで右SBを務める山根は桐蔭横浜大学で、FWやサイドハーフでドリブルを武器とするアタッカーとして名をはせていた。湘南ベルマーレで右SBにコンバートされると、川崎でも右SBとしてアシストを量産中だ。

旗手も静岡学園高校でドリブラーとして活躍すると、順天堂大学ではFWでストライカーとしての能力が開花。川崎に加入が決まった当初はアタッカーとしての活躍が期待されていたが、鬼木達監督のコンバートにより、SBでの出場を増やす。それでも持ち前の攻撃力は失われておらず、リーグ屈指のSBとして成長を続けている。

今後もドリブラーやウィンガーのSB化はあるだろうか。マンUでのアントニオ・バレンシア、ユヴェントスのファン・クアドラードなど、以前からFWをSBにコンバートするケースは珍しくなかったが、運動量やスピードのある選手がSBになるケースが多かった。現在はそれよりもテクニカルなアタッカーが転身することが増えている。戦術面で多くのタスクを任されるようになった現代のSB。今後もポジションを変えることで、さらに良さを引き立てられるプレイヤーが増えてくることだろう。

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