オナイウ阿道のライバルは“仏版バーディ”? イングランドの苦労人が仏の地で暴れていた

フランスで才能開花するヒーリー(写真はミルトン・キーンズ・ドンズ時代) photo/Getty Images

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トゥールーズ昇格のキーマンに

大迫勇也の後釜候補の1人。横浜F・マリノスからフランス2部のトゥールーズへ向かった26歳のFWオナイウ阿道にはそんな期待もかけられていたのだが、現在のオナイウはどうしているのか。

トゥールーズは今季フランス2部で首位に立っているのだが、オナイウは開幕8試合で5得点とブレイク。その活躍から日本代表でテストする機会を増やすべきとの声も挙がった。

しかし、以降はペースが落ちた。9月18日のグルノーブル戦で2得点を奪って以降はリーグ戦で得点がなく、現在は9試合連続で得点がない。日本代表は大事なアジア最終予選の真っ最中だが、この成績で代表入りは難しいだろう。
最近ではベンチスタートも増えているのだが、オナイウにとって厄介なのがチームメイトのFWリース・ヒーリーだ。

世界的にはほとんど無名なヒーリーは、イングランド出身の27歳。カーディフでプレイしていた際に4試合だけプレミアリーグの戦いを経験しているのだが、キャリアのほとんどを下位リーグで過ごしてきた。今その才能がフランスの2部で大爆発しているのだ。

ここまでヒーリーは16試合に出場して12得点を挙げており、これは現時点でフランス2部得点ランク1位だ。今季前半戦のトゥールーズはヒーリーとオナイウを2トップで並べることも多かったが、最近は最前線にヒーリーを1枚置くシステムを採用する機会も増えた。10月に入ってから白星を掴みにくくなったことも関係しているのだろう。その結果オナイウは左ウイングなどでプレイする機会が増えており、これも得点に絡みづらくなった理由か。

ヒーリーは昨季もトゥールーズの一員として2部で15点を挙げていたが、恐らく今季のペースならその数字を軽く超えてくるだろう。今やトゥールーズにとって昇格への光となっており、今後の活躍次第では1部の中堅クラブあたりから声がかかってもおかしくない。

イングランドのトーキー・ユナイテッドやニューポート・カウンティ、ミルトン・キーンズ・ドンズ、コルチェスター・ユナイテッドなどイングランド下位のカテゴリーでもがいてきた男の才能がフランスで開花するとは本人も予想外だったかもしれない。

どこかその活躍は同じくイングランド下位リーグで下積み時代があり、レスター・シティで才能が開花したFWジェイミー・バーディと重なるところもある。まさにヒーリーはフランス版ジェイミー・バーディのような大ブレイクを続けており、オナイウにとっては前線で強烈なライバルとなっている。

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