衝撃のアデイェミ、ダンジュマ、ゴンサウヴェス…… CLで暴れるヤングスターたち
ベンフィカで活躍するヌニェス photo/Getty Images
決勝トーナメントへ導いた若武者たち
チャンピオンズリーグは欧州No.1クラブを決める大会であると同時に、NEXTブレイク候補生と呼べる若手選手たちの活躍も楽しみの1つだ。
今季もグループステージで印象的な活躍を披露した者が数名いた。
まずグループを6連勝で突破したアヤックスでは、21歳のFWアントニーだ。
ブラジル代表のアントニーに関して、米『ESPN』は「今の欧州サッカー界で最もエンターテイメント性溢れるプレイヤーの1人」と絶賛する。
右サイドを中心に仕掛けるドリブルはブラジル人選手らしい面白さがあり、2018-19シーズンのベスト4入りに貢献した現チェルシーMFハキム・ツィエクに近い活躍と言っていい。今のアヤックスを右サイドから盛り上げるのがアントニーだ。
同じ南米からはベンフィカ所属のウルグアイ代表FWダルウィン・ヌニェスだ。
今季ポルトガル国内リーグで11戦8得点と絶賛売出し中のヌニェスは22歳と若く、多くのビッグクラブが目をつけている。今季のチャンピオンズリーグにてトップレベルで通用するかチェックしていたクラブも多いだろうが、ヌニェスはそこで3得点を記録。ベンフィカはバルセロナをかわして2位で決勝トーナメント進出を決めており、十分なアピールとなったのではないか。
ウルグアイ代表の方でもベテランになったFWルイス・スアレス、エディンソン・カバーニの後継者候補と期待されており、ステップアップの時は近い。
ザルツブルクでもNo.1の注目度誇るアデイェミ photo/Getty Images
若手軍団ザルツブルクも要注目
同じポルトガルのクラブからは、スポルティング・リスボンDFゴンサロ・イナシオ(20)、FWペドロ・ゴンサウヴェス(23)の2人も高い評価を得ている。
センターバックのイナシオは米『ESPN』よりスピード、アグレッシブな守備が評価されており、高い位置に飛び出してのインターセプトなどボールを奪う力を披露した。
ポルトガル代表では世代別代表の常連で、そろそろA代表でも常連メンバーになりたいところ。今季のアピールでチャンスも出てくるだろう。
ウイングから攻撃的MFをこなすゴンサウヴェスは昨季国内リーグで23得点を挙げたことが大きな話題を呼んだ選手で、今季はチャンピオンズリーグでも4得点と期待通りの結果を出してくれた。
何よりスポルティング・リスボン加入後は54試合で34得点9アシストと驚異的なペースで得点に関与しており、早く5大リーグへ向かうべき才能だ。
スペインからは、2位に滑り込んだビジャレアルよりオランダ代表FWアルノー・ダンジュマ(24)が面白い。
昨季イングランド2部のボーンマスで結果を出したダンジュマは今夏にビジャレアルへ加わり、いきなり主力に。リーガでは5点、チャンピオンズリーグでも4点奪って見せた。左のウイングやセンターフォワードを担っており、178cmながらパワーもある。2部からやってきた才能に驚いたサッカーファンも多いだろう。
最後にクラブ史上初の決勝トーナメント進出を決めたヤングタレント軍団ザルツブルクだ。
ここはとにかく注目の若手が多い。今1番ホットなのは19歳のドイツ人FWカリム・アデイェミで、毎日のように移籍の話題が出てくる。ザルツブルクからドルトムントへ移籍したFWアーリング・ハーランドに続くブレイク候補生で、チャンピオンズリーグでも3得点を記録。十分すぎるほどのアピールで、争奪戦間違いなしだ。
そのアデイェミと前線でコンビを組むスイス代表FWノア・オカフォー(21)も忘れてはならない。185cmのサイズを持つオカフォーはスイスA代表デビューも済ませており、今季は国内リーグで5点、チャンピオンズリーグでも3点を奪った。その衝撃はアデイェミにも負けていないはず。こちらもビッグクラブに引き抜かれる日は近いだろう。
さらに中盤では21歳のMFモハメド・カマラにも注目が集まる。得点を決めるようなタイプではないが、守備的MFとして豊富な運動量、高いボール奪取力が高く評価されている。
『ESPN』もベテラン選手のような戦術理解度、存在感があると称賛。カマラも今大会で有名になった選手の1人か。
アヤックス、ビジャレアル、ベンフィカ、スポルティング・リスボン、ザルツブルクらは決勝トーナメントにも進んでおり、彼ら若い選手たちがどこまで違いを作れるかがベスト8入りへのカギとなる。アヤックス以外は優勝候補に挙げづらいが、若手選手たちの頑張りに注目して試合を見るのも悪くない。スカウト陣も決勝トーナメントの戦いに目を光らせている。