緩すぎる[4-4-2]の守備に、右サイドの機能不全 ユヴェントス、昇格組ヴェネツィアにまさかの大苦戦

ヴェネツィア戦で右サイドバックを務めたデ・シリオ(中央)。敵陣の深いところへ侵入する機会が少なく、これが自軍の攻撃の停滞を招いてしまった photo/Getty Images

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悔やまれる後半の戦い方

日本時間12日に行われたセリエA第17節で、ヴェネツィアと対戦したユヴェントス。

32分にFWアルバロ・モラタがDFルカ・ペッレグリーニのクロスに反応し、先制ゴールを挙げたものの、55分にヴェネツィアのMFマッティア・アラムのミドルシュートを浴び、最終スコア1-1で幕引き。20年ぶりにセリエAの舞台に戻ってきたヴェネツィアを相手に、勝ち点を取りこぼしている。

ユヴェントスにとって悔やまれるのは、1点リードで迎えた後半の戦いぶりだろう。
キックオフ直後より、同クラブは[4-4-2]の守備隊形でヴェネツィアのパスワークを受け止めようとしていたが、自陣ゴール前のスペースを埋めることに気を取られ、ボールホルダーへのプレスが緩慢に。

特に後半はヴェネツィアのビルドアップの起点であり、センターバックのマッティア・カルダーラに対するマークが緩み、同選手による配球やボール運びを容易に許してしまった。

ヴェネツィアの同点ゴールの起点となったのも、センターサークル付近にいたカルダーラによる右サイドへのパス。

この54分の場面では、ユヴェントスのFWカイオ・ジョルジのカルダーラに対するプレスが緩かっただけでなく、サイドにボールが渡った直後の、左サイドバックのペッレグリーニと同サイドハーフのフェデリコ・ベルナルデスキによるボールホルダーの挟み込みも出来ていない。

ボールの奪いどころが定まっていない、漫然とした[4-4-2]の守備が失点に繋がり、これが勝ち点の取りこぼしに繋がったと言って差し支えないだろう。

ユヴェントスが苦戦したもう一つの要因は、右サイドからの攻撃が停滞したこと。特に右サイドバックのマッティア・デ・シリオが、相手最終ラインの背後へのランニングをあまり行わなかったため、ヴェネツィアの守備隊形を崩しきれない場面が散見された。

この問題点が如実に表れたのが、DFレオナルド・ボヌッチからの縦パスが前線に供給された18分の場面。

ボヌッチからモラタ、そしてファン・クアドラードへとテンポ良くパスを繋げていたが、ここでもデ・シリオが相手最終ラインの背後に走らなかったため、右サイドからの攻撃が不発に終わった。

首位インテルとの勝ち点差12の7位と、苦境に陥っているユヴェントス。前述した守備の課題と、攻撃時のサイドバックの動き方の手直しが、智将マッシミリアーノ・アッレグリの当面のタスクとなりそうだ。

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