[西岡明彦]トッテナムでコロナ蔓延 UEFAの対応には不満も

プレミア最強ガイド #85

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 新型コロナウイルス感染症が蔓延したトッテナム。今月9日(木)に予定されていた欧州カンファレンスリーグのレンヌ戦に続き、12日(日)のプレミアリーグ・ブライトン戦の延期も決定しました。選手8名を含む、13人のクラブ関係者に陽性反応が出たことを受けた緊急措置を、UEFAとプレミアリーグが決断する結果になりました。

 今後スパーズはもちろん、対戦相手やリーグのスケジュール調整にもコロナウイルス感染症が影響するのは必至です。とりわけスパーズは、シーズン後半戦がさらに厳しいスケジュールになることを覚悟しなければならなくなりました。

 UEFAのルールでは欧州カンファレンスリーグのグループステージは年内、つまり12月31日までに開催しなければならない事になっていますが、特例措置として主催者側は1月末まで延長して調整することも視野に入れていると報じられています。一方で、レンヌ側は延期ではなく、中止を要請しています。12月22日(水)モナコ戦を最後にリーグアンはウインターブレイクに入り、再開は1月9日(日)のランス戦。短い休暇を取ることも既に決まっており、年末に試合を行うことは不可能であるとUEFA側に要求しています。一部報道では、トッテナム戦中止に関わる対応の拙さに不満を持っており、試合前日の8日(水)にチームがロンドンに到着した直後に試合の延期を告げられたことも不満であり、延期ではなく中止を求める要因に繋がったと言われています。
 プレミアリーグは医療アドバイザーの助言によってブライトンvsトッテナムの中止を決定し、ソーシャルディスタンスやPCR検査受診を改めて徹底するよう20クラブに通達しましたが、スケジュール調整を含め、今後の対応に追われています。

 コンテ監督は記者会見で「昨日陰性だった人間が1日経ったら陽性になっていた。深刻な問題だ。正直、怖い気持ちで生活している。この記者会見もメディアの皆さんとフットボールの話をしたいが、現実はそうではない。とてもフットボールの話ができる状況ではない。ファンの皆さんにも大変申し訳なく感じている」と謝罪しました。

 英国は1週間の新型コロナ新規感染者数が30万人を超え、欧州内では40万人のドイツに続く2番目に悪い状況になっています。増加傾向が止まらない状況に政府やプレミアリーグがどんな判断を下すのか。心配な状況になってきました。

文/西岡 明彦

※電子マガジンtheWORLD264号、12月15日配信の記事より転載

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