守備固めで投入も優勝へ導く意地の一発 浦和へ2度も歓喜をもたらした槙野智章の得点嗅覚

決勝点を決めた槙野 photo/Getty Images

槙野の決勝点でタイトルを獲得する

浦和レッズは天皇杯決勝で大分トリニータと対戦。90分に同点に追いつかれる苦しい展開だったが、後半アディショナルタイムに試合を決めたのは槙野智章だった。

今シーズン限りでの浦和退団が決まっている槙野は、今試合はベンチスタートとなった。開始早々に先制点を奪った浦和は自分たちのペースで試合を進めるも、後半からは攻勢を強める大分に対して受け身にまわってしまう。

それでも1点リードを保っていた浦和は83分に小泉佳穂に代えて槙野を投入。攻撃の枚数を1枚減らしてCBを増やすことで、この1点を守り切ろうというリカルド・ロドリゲス監督の明確なメッセージだった。

しかし90分に大分の高さを活かした攻撃でゴールネットを揺らされてしまう。終了間際の失点に延長も予想された展開だったが、後半アディショナルタイムに劇的な展開が待っていた。CKのこぼれ球を柴戸海がシュートを放つ。そのシュートに本来守備固めで入った槙野が頭で合わせてコースを変え、ボールはゴールへと吸い込まれていった。

柴戸のシュートは、枠の外に外れていたかもしれない。そのボールに対する槙野の一瞬の判断が、浦和に優勝を決定づける2点目を与えたのだ。本来は守備固めでの出場だった男がゴールネットを揺らして熱戦の勝負を決めた。

今季はルヴァンカップ準々決勝の川崎フロンターレ戦でも、後半アディショナルタイムに槙野が得点を決めて準決勝進出へと導いた。GKの弾いたボールを詰めたゴールだったが、GKのリフレクションに反応できていたのは、槙野ただ1人だった。彼の冴えわたる得点への嗅覚が今季は浦和に2度も歓喜をもたらしているのだ。

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