モウリーニョの十八番、“堅守速攻”でアタランタ粉砕 機能し始めたローマの[5-3-2]

アタランタ戦では、モウリーニョ監督のプランが的中した photo/Getty Images

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アタランタのマンツーマン守備を無力化

今季のセリエA第18節終了時点で、10勝1分け7敗の5位につけているローマ。18日の第18節では4位アタランタに4-1で勝利し、同クラブとの勝ち点差を“6”に縮めている。

今季よりローマを率いているジョゼ・モウリーニョ監督は、基本布陣をシーズン序盤の[4-2-3-1]から[5-3-2]に変更。アタランタ戦ではこの布陣が威力を発揮した。

[3-4-2-1]の布陣でこの試合に臨んだアタランタは、1トップのドゥバン・サパタ、及びヨシップ・イリチッチとマリオ・パシャリッチの2シャドーの計3人で、ローマの3センターバックへのハイプレスを敢行。これに対しローマはMFブライアン・クリスタンテや最終ラインからのロングパスを多用し、アタランタのハイプレスをいなした。
中盤でのボールキープを極力避け、ボールをいち早くタミー・エイブラハムとニコロ・ザニオーロの2トップに届けることを徹底させたモウリーニョ監督の目論見は、見事に的中。

ザニオーロに向けて放たれたクリスタンテのロングパスが、1分のエイブラハムの先制ゴールに繋がったほか、27分に生まれたザニオーロの追加点も、MFヘンリク・ムヒタリアンの自陣後方からのロングパスが起点となっている。

3-1と2点リードで迎えた82分にも、右ウイングバックのリック・カルスドルプによるロングパスが速攻の起点となり、エイブラハムが駄目押しのゴールをゲット。自慢のマンツーマン守備やハイプレスをロングパスで無力化され続けたアタランタは、最後まで守備を立て直せなかった。

アタランタにボールを保持される時間帯が長かったものの、ローマは自陣で[5-3-2]の守備ブロックを形成し、相手の攻撃を停滞させることに成功。

クリスタンテ、ムヒタリアン、ジョルダン・ヴェレトゥの3セントラルMFがバイタルエリアを埋め続けたほか、この3人のうち誰かが前方やサイドに釣り出された際には、ロジェール・イバニェス、クリス・スモーリング、ジャンルカ・マンチーニの3センターバックのうち1人が飛び出し、中盤のスペースをカバー。この連動性が試合終盤まで保たれたことが、会心の勝利に繋がった。

同じく[5-3-2]の布陣を敷き、0-3で敗れた第16節のインテル戦では、3セントラルMFと2トップが間延び。これが原因でインテル陣営のビルドアップを止めきれなかったローマだが、アタランタ戦では最終ライン、中盤、最前線の3ラインがコンパクトに保たれていた。

就任した先々のクラブで堅守を築いてきたモウリーニョ監督のもとで、守備の改善が見られるローマが、2021-22シーズンのセリエA後半戦を盛り上げるかもしれない。

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