プレミア56ゴールのうち22点が“ヘディング” 178cmでも強すぎた豪州のエアバトラー

日本にとって厄介なライバルだったケイヒル photo/Getty Images

空中で一瞬止まっているように見えることも……

空中戦で勝利していくには、185cm以上は欲しいところだろう。ただ、サッカー界ではプロフィール欄の身長からは想像もつかないほどエアバトルを得意としている選手たちがいる。

英『Squawka』が絶賛するのは、元オーストラリア代表FWティム・ケイヒルである。

ケイヒルの強さは何度もアジアの舞台で戦った日本代表も痛いほど理解している。一応ケイヒルの身長は178cmとなっているのだが、跳躍力とボディバランスがずば抜けているのか、自分より背の高いDF相手でも空中戦で勝つことが出来てしまう。

かつてケイヒルはエヴァートンで活躍していたが、プレミアリーグでの成績も興味深い。2009-10シーズンにはプレミアリーグで8得点記録したが、そのうち7点を頭で決めている。続く2010-11シーズンは9得点を決め、そのうち6点は頭だった。ケイヒルにとってはこれが通常運転だが、178cmの選手としてはかなり珍しいタイプと言えよう。合計すると、プレミアリーグで決めた56点のうち22点がヘディングだ。

この傾向はアメリカ・MLSへ向かってからも続いており、2013年にはニューヨーク・レッドブルズにてリーグ戦12得点のうち9点を頭で沈めている。飛び上がった際に空中で一瞬止まっているかのように見えることもあり、ヘディングの精度も高かった。プレミアリーグの歴史に残るエアバトラーと言っていいだろう(数字は『WhoScored』より)。

過去の日本代表では中澤佑二や田中マルクス闘莉王など高さを備えたセンターバックを揃えていたが、それでもケイヒル擁するオーストラリアとの戦いには空中戦の恐怖を感じたものだ。オーストラリアでは他にも188cmのFWマーク・ヴィドゥカ、名古屋グランパスでも活躍した194cmのFWジョシュア・ケネディら高さのある選手がいたが、空中戦の威圧感はケイヒルの方が上だったかもしれない。

アンジェ・ポステコグルーが指揮した頃よりオーストラリアも戦い方は変わってきているが、ケイヒル目掛けて長いボールを放り込むスタイルもオーストラリアらしい怖さがあった。あの戦い方の方が厄介と感じている日本のサッカーファンも少なくないだろう。

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