109本のパスを通し、その成功率は100% 守備は苦手でもビルドアップで輝くシティの司令塔型CB

スペイン代表でも活躍するラポルト photo/Getty Images

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今後も序列を落とすことはないだろう

欧州のビッグクラブでもひときわ実力者が揃っているマンチェスター・シティのセンターバック陣。加入して一気にディフェンスリーダーとなったルベン・ディアス、昨季そのディアスと共にチームをけん引したジョン・ストーンズ、ビルドアップではピカイチなアイメリック・ラポルト、左サイドバックや中盤でもプレイ可能なユーティリティ性を持つネイサン・アケの4人でローテーションしており、レスター戦では3失点してしまったが、プレミアでは未だに最少失点を誇っている。

英国でも屈指のCBを揃えるシティだが、ラポルトの評価はいつになっても安定しない。

2018年にスペインの名門アスレティック・ビルバオから加入したラポルト。それまで不安定だったチームの守備に安定感をもたらした人物であり、現アンデルレヒト指揮官で元シティのヴァンサン・コンパニの後を継ぐ新たなディフェンスリーダーだといわれていた。しかし、時間が経つにつれ守備での対応が問題視されることになり、昨季はディアスの加入、ストーンズの復調もあり出番を失ってしまった。そのこともあり、今夏の移籍市場で放出候補とされていたが、結局は残留し、チームのために戦っている。

そんなラポルトだが、今季はCBの中でも序列の高い選手だ。昨季復調したストーンズが再び怪我で離脱しているということもあり、ディアスと共にファーストチョイスとなっている。が、守備に安定感が出たわけではない。直近のレスター戦でも肝心な場面で足を滑らせてしまい、得点を許してしまった。

それでも、ラポルトは今後も継続して起用されるだろう。そういえる一番の要因はビルドアップでの貢献度の高さだ。左利きということもあり、左サイドに置いた際の配球力は前述したようにピカイチだ。レスター戦ではフル出場しているが、109本のパスを通し、その成功率は何と100%。パスを成功させるには比較的余裕のあるポジションだが、この数字を出せる選手はなかなかいない。さらに成功率の高い横パスだけでなく、ロングボールや縦パスを何本も通して攻撃を活性化させている。これはディアスでも難しいことだ(データは『WhoScored.com』より)。

肝心の守備では不安定だが、組み立ての貢献度でいえばチームトップクラスのラポルト。ここまでシティでビルドアップが重要視されていなければ重宝されていた可能性は低く、まさに現代に合わせた司令塔型CBの理想形だといえる。

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