トッテナムで存在感示す“もう1人のハリー” 常に前線を見ていた中盤戦士

サウサンプトン戦で印象的なパフォーマンスを披露したウィンクス photo/Getty Images

一本のパスでチャンスを演出

現地時間28日に行われたプレミアリーグ第20節のサウサンプトン戦にて、1-1のドロー決着に終わってしまったトッテナム。前半に相手が退場者を出したものの、同クラブはその隙に付け入ることができなかった。後半は押し込む展開となっただけに、これは痛恨のドローと言わざるを得ないだろう。

しかし、それでもポジティブな要素はあった。なかでも目を引いたのはMFハリー・ウィンクスのパフォーマンスだ。

この試合でオリバー・スキップに代わって先発起用された同選手は前半こそ相手のプレッシャーに晒されるなかで苦戦を強いられたものの、随所でキラリとセンスが光るパスを前線へと供給。特に39分に見せたスルーパスは絶品で、このボールに反応したFWソン・フンミンがボックス内で倒されてトッテナムは同点に追いつくPKを獲得することとなった。加えて、そのソン・フンミンをファウルで止めたサウサンプトンDFモハメド・サリスはこのプレイで2回目の警告を受けて退場。前半は多くの時間で相手に主導権を握られていたスパーズだが、このウィンクスのパス1本で流れを引き戻すことに成功したのだ。

加えて、後半もウィンクスのパスは冴えていた。最終的には得点に結び付かなかったものの、この試合における同選手はチーム最多タイとなる3本のキーパス数を記録(データサイト『SofaScore』より)。オフサイドで得点とはならなかったが、56分に見せたハリー・ケインへのパスも見事だったと言っていい。さまざまな場所に顔を出し、常に前線へのパスルートを探っていたウィンクス。チームは引き分けたが、彼個人のパフォーマンスには目を見張るものがあったと言っていいだろう。

今季はスキップの台頭もあってなかなか出番が増えてこなかったウィンクスだが、この活躍を今後も継続して披露できるのであればまた近いうちにチャンスは回ってくるだろう。アントニオ・コンテ監督も今回の彼のプレイぶりは評価しているはず。もしかすると、ここからウィンクスの反撃が始まるかもしれない。

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