ハリルを救う《モロッコのファンタジスタ》 ツィエクに代わるドリブルマスターへの注目

アンジェでも活躍するブファル photo/Getty Images

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アフリカ・ネイションズカップ初戦で決勝ゴールを記録

ヴァイッド・ハリルホジッチ前日本代表監督が現在指揮するモロッコ代表は、2022ワールドカップ・カタール大会へ向けたアフリカ予選でも最終ラウンドへ駒を進める高い実力を持ったチームだ。

現在開催されているアフリカ・ネイションズカップでも上位を狙えるはずだが、気になることもある。昨年よりハリルホジッチ監督とチェルシー所属MFハキム・ツィエクが衝突し、そのツィエクが今回のメンバーから外れているのだ。
今のモロッコではツィエクが1、2を争う攻撃タレントで、事情はどうあれツィエクのベストを引き出せないのは痛い。攻撃の創造性が失われる可能性が高いからだ。

現在モロッコを指揮するハリルホジッチ監督 photo/Getty Images

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モロッコはどこまで勝ち上がれるか

ならば、ツィエクの穴を誰が埋めるのか。ネイションズカップ・グループステージ初戦でその役割を果たしたのは、フランスのアンジェでプレイするMFソフィアン・ブファルだった。

ファンタジスタ気質のあるブファルは抜群のテクニックを持つ攻撃的MFで、今季リーグ・アンではパリ・サンジェルマンFWキリアン・ムバッペに次いで2番目に多い57回のドリブルを成功させている実力者だ。

ネイションズカップ初戦のガーナ戦でもその技術を存分に発揮し、決勝点を記録。さらに6本のキーパス(シュートに直結するパス)を記録するなど、チームを勝利に導くキーマンとなった(数字は『WhoScored』より)。

仏『Football365』によれば、ハリルホジッチもブファルのパフォーマンスを絶賛している。

「彼はドリブルで違いを生む選手だが、ゴールから40メートルも離れたところでそれをやっても効果は薄い。彼にはゴールまで16メートルの位置で才能を発揮するよう要求した。我々の得点の98%はその距離から生まれるのだからだ」

ブファルはアンジェの時ほど自由が許されるわけではないようだが、ハリルホジッチの規律あるフットボールの中でファンタジーを発揮することが求められている。初戦のガーナ戦ではそのミッションを見事にクリアしたわけだ。

ガーナはアフリカを代表する強豪国の1つであり、その相手との初戦をゲットしたのは大きな意味がある。ツィエク抜きでも勝ち進めるのか。日本代表を指揮していた頃より人選が何かと話題になる指揮官だったが、モロッコでもハリル流は大きな注目を集めている。

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