ブスケッツやロドリを彷彿とさせる配球力 遠藤航の後継者と騒がれている川崎の中心人物

大きく飛躍した橘田 photo/Getty Images

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まだ23歳と若い

田中碧と三笘薫の2人をシーズン途中で欠くことになっても、失速を最小限に抑え、リーグタイトルを獲得した2021年シーズンの川崎フロンターレ。鬼木達監督の手腕も見事だが、それを現実にする選手たちの能力の高さには驚かされるばかりだ。

そんな昨季の川崎で一躍主戦力となったのが、MF橘田健人だ。

神村学園高校、桐蔭横浜大学を経て川崎に入団した橘田。2021年が加入初年度となったが、29試合に出場し、1アシストを記録している。川崎は前述した三笘やセルティックへ移籍した旗手怜央のような大卒の優秀な選手を見抜くスカウティング力に長けており、橘田も一年目でブレイクを果たした。

川崎は中盤を3枚にした[4-3-3]で戦うことが多く、橘田はインサイドハーフで起用されていたが、徐々にポジションをアンカーに下げ、チーム内での地位を不動にした印象が強い。相手からのチェックが激しいミドルサードでボールを失わない技術も素晴らしいが、一つ下がった位置からパスを展開する能力が高く、視野の広さを生かして前線の強力なFW陣を橘田が操っている。特に配球力はバルセロナのセルヒオ・ブスケッツやマンチェスター・シティのロドリを彷彿とさせるものがある。

それでいて橘田は守備での強度が高く、中盤のフィルターとして機能することができる。同ポジションにはジョアン・シミッチといった実力者がいたものの、シーズン終盤はシミッチではなく橘田が鬼木監督に重宝されている。また、日本ではアンカーというポジションが採用されることは少なく、それだけで橘田に価値があるのだが、これほど守備強度が高い選手はいない。浦和レッズへ移籍した岩尾憲も優秀なアンカーだが、守備強度でいえば橘田に軍配が上がることになる。

代表でも今後は橘田にスポットライトが当たると予想できる。現状のサムライブルーでアンカーを安心して任せられるのは遠藤航だけであり、彼に代わる存在がいない。ウルブズへ移籍した川辺駿もどちらかといえば、インサイドハーフの選手だ。橘田はこれまで代表と縁のない選手だが、招集される可能性は高い。

Jリーグ初挑戦となった昨季は自身の持つポテンシャルの高さを日本中に知らしめた橘田。今季は背番号を22番から8番に変更することになっており、ますます期待できる年となりそうだ。

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