負けるたび起こる“38歳の皇帝”・長谷部誠待望論 攻撃の組み立てに欠かせぬ最重要人物

フランクフルトを最終ラインから支える長谷部 photo/Getty Images

アルミニア戦は後半からの出場となり……

長谷部誠を最初から起用すべきではなかったか。21日のアルミニア・ビーレフェルト戦を0-2で落としたフランクフルトには、そんな声もあるようだ。

このゲームで長谷部はベンチスタートとなっていたが、チームを指揮するオリバー・グラスナーは対戦相手によって最終ラインの構成を変えている。ポイントの1つは、長谷部の高さ対策だろう。

長谷部は優秀なリベロではあるが、サイズ的に最終ラインを防衛するには心許ないところもある。例えば今月8日のドルトムント戦は長谷部がベンチスタートとなったが、これはドルトムントの前線に大型FWアーリング・ハーランドがいたためだろう。

他にも12月12日のレヴァークーゼン戦もチェコの大型FWパトリック・シックに対応するためか、長谷部は出番がなかった。こうしたゲームでは対人戦に強い29歳のDFマルティン・ヒンテレッガーがキャプテンマークを巻いて最終ラインに入るケースが多い。

今回のアルミニア戦も対戦相手に193cmのサイズを誇るヤンニ・ルカ・セッラがいたため、グラスナーはヒンテレッガー、ルーカス・メロ、エヴァン・ヌディカの3枚を最終ラインに並べている。

しかし、アルミニア戦ではフランクフルトが68%ものポゼッション率を記録できた。この結果から、地元紙『Frankfurter Rundschau』は長谷部を先発させるべきだったとの見方を示す。

結局フランクフルトは前半30分までに2失点してしまうことになり、グラスナーのプランは外れたことになる。長谷部がビルドアップを安定させていれば、結果は違っていたかもしれないと同メディアは考えているのだ。

38歳になった今も長谷部への評価は高く、フィジカルに優れたFWにも十分対応できる。攻撃の組み立ても長谷部とヒンテレッガーでは差があるのだ。フランクフルトが上位を目指すには、やはり長谷部を固定していくべきなのかもしれない。

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