主力不在の穴を埋める大奮闘 ミランの最終ラインで若きDFは一気に伸びた

ミランで印象的なパフォーマンスを披露しているカルル photo/Getty Images

代役としては十分すぎる活躍

ACミランの最終ラインに怪我人が続出していた状況のなか、はたしてその離脱者たちの代役がここまで奮闘する姿をどれほどの人が想像しただろうか。年明け以降に代役センターバックとして誰もが驚く活躍を見せているのは、まだ若いU-21フランス代表DFピエール・カルル(21)だ。

前所属のリヨン下部組織時代こそCBでプレイしていたものの、2020年夏のミラン加入以降は右サイドバックを中心に活動していたカルル。チーム事情が苦しいなかでの、苦渋の起用。当初は彼のCBでの出場にそんなことを思っていた人も多かったことだろう。どうにか及第点のパフォーマンスを披露してくれれば御の字。どこかそんな空気は漂っていた。

しかし、そんな周囲の空気をよそに、カルルはここまで見事にCBのポジションをこなしている。まだ若いながらも随所で冷静な対応は見ることができ、落ち着きも十分。時折ヒヤリとするシーンを見せることもあったが、彼がフル出場した直近の4試合でミランはわずか3失点しか喫していない。代役としては満点に近い出来と言えよう。むしろ、今後もこのパフォーマンスを継続できるのであれば、カルルはCBとしても勝負できるはず。そう言っても過言ではないほどに、この21歳のプレぶりは堂々たるものだった。

決して代役をこなすだけでなく、この機会に指揮官へのアピールもきっちり行うことに成功したカルル。もしかすると、将来ミランの守備陣を牽引していくのはこの男なのだろうか。ロッソネリで急速に評価を高める若手DFからは、今後も目が離せない。

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