“4500万ポンド”で獲ったハラーはなぜ…… ウェストハムを悩ませる最前線問題

今の頼みはマイケル・アントニオ photo/Getty Images

センターフォワードは層が薄い

悲願のトップ4入りへウェストハムが正念場を迎えている。

今季序盤のウェストハムは見事な滑り出しで、リーグ戦でのトップ4フィニッシュに加えて決勝トーナメントに進んでいるヨーロッパリーグでも優勝を狙えるなんて声もある。それだけの力を持ったチームと評価されてきたのだ。

しかし、デイビッド・モイーズ率いるチームにも穴はある。英『Daily Mail』はウェストハムが2年にわたってセンターフォワードの補強に動いてきたと取り上げているが、センターフォワードのポジションは少々層が薄いのだ。

現在の1番手は抜群の身体能力を誇るマイケル・アントニオが務めるが、アントニオに当たりが出ないゲームは苦しくなってしまう。他にはジャロッド・ボーウェンをセンターフォワードに回したり、ヨーロッパリーグでは17歳のソニー・パーキンスを先発起用することもあった。

悔やまれることがあるとすれば、2019年の夏に獲得したコートジボワール代表FWセバスティアン・ハラーの能力を活かし切れなかったことか。もはや説明不要だが、ハラーはその後移籍したオランダのアヤックスで爆発しているセンターフォワードだ。ウェストハムはハラー獲得に4500万ポンドを投じたが、僅か1年半でアヤックスへ手放してしまった。今のチームにハラーがいれば、かなり強力な構成となっていたのは間違いない。

また同年にはバーゼルからスイス代表FWアルビアン・アイエティも獲得しているが、こちらも即戦力とはならず。1年後にスコットランドのセルティックへと手放している。

モイーズもセンターフォワードの補強を希望しているようだが、この2年は理想に合う選手を見つけられなかったのか。ウェストハムは決して得点力の低いチームではないが、開幕当初絶好調だったアントニオも直近14試合では2得点のみとペースが落ちている。

ここからはヨーロッパリーグの戦いも再開することになり、複数コンペティションを上手く戦っていく必要がある。前半戦のパフォーマンスからサポーターの期待は高まっているが、トップ4入りへ踏ん張れるのか。現在は5位につけているが、6位アーセナルと7位トッテナムが勝ち点差1で追いかけてきている。しかも両チームの方が消化試合数が少なく、もうウェストハムはこれ以上勝ち点を落とせない。

アントニオの再爆発にも期待したいところで、センターフォワードの部分は1つの課題となっていきそうだ。

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