補強は期待の新鋭ストライカーのみで終了? ミランが過ごす“静かすぎる冬”

ピオリ監督はこの状況でシーズン後半戦をどのように戦うのか photo/Getty Images

緊急事態のCBも新戦力ナシか

移籍市場開幕前には、あらゆる補強候補が現地メディアの紙面を賑わせていた。しかし、今回ロッソネリが敢行する補強はわずか1名のみで終了となるのだろうか。意外にも、2022年冬のマーケットにおけるACミランの動きは少ない。

当初は膝の怪我で今季絶望となったDFシモン・ケアーの代役探しに注力すると噂されていたミラン。しかし、蓋を開けてみれば、最優先とされていた同ポジションの補強も行われていない状況だ。リールのオランダ代表DFスフェン・ボットマンをはじめとした様々なCBが候補に挙がったものの、実際にチームに加入した選手は現時点でまだいない。

加えて、最前線の補強もレッドスターから獲得したマルコ・ラゼティッチ(19)のみ。補強と言っても、まだ19歳のラゼティッチを後半戦の戦力として考えるわけにはいかないだろう。期待の新鋭FWとはいえ、今季セルビアリーグでは1得点しか奪うことのできていなかった同選手。彼のことは育成枠と捉えるべきで、ズラタン・イブラヒモビッチとオリヴィエ・ジルーのバックアッパーとはなり得ないはずだ。そう考えると、ミランが敢行した冬の戦力補強は“実質ゼロ”と言っても決して大袈裟ではないだろう。

はたして、ミランの冬はここまで静かでよかったのだろうか。現時点で首位インテルとは4ポイント差の3位につけている同クラブ。チャンピオンズリーグは敗退したが、今後のスクデット争いに向けて最低限の補強は必要だったはず。せめて、半年間のレンタルでも最終ラインに新たな戦力を加えるべきだったのではないだろうか。

「ミランの冬は少々大人しすぎるのかもしれない。夏と違って、冬のマーケットはあまり積極的に動くものでもないが、それにしても補強が少ない。ミランは中途半端な選手を焦って補強するよりも、シーズン終了後に一定の実力者を迎え入れたい方針を持っているという。それも一理あるが、来季CL圏内を掴めなければ元も子もない」

そんなミランの今冬の動向に関しては、伊『Leggo』もこのような見解を示している。まだマーケット締め切り直前に補強があるかもしれないが、現時点では静かすぎるミランの冬。はたして、現有戦力で後半戦を戦うこととなれば、ステファノ・ピオリ監督はどのようにチームをやりくりしてくるのか。今後は指揮官の手腕が試されることとなりそうだ。

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