ユーヴェ飛躍の鍵はモラタの“マンジュキッチ化”? 若き怪物との共存

モラタとヴラホビッチの共存はあるのか photo/Getty Images

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決して不可能なプランではない

ユヴェントスは先日、フィオレンティーナからセルビア代表FWドゥシャン・ヴラホビッチを獲得したことを発表した。欧州で今、最も注目を集めている若手ストライカーの補強だ。今季はここまで、なかなか攻撃陣の成績が振るっていないこともあり、セリエAの得点ランキングで現在トップを走る彼の加入は、これ以上ないほどの補強と言っていいのではないか。期待に胸を膨らませているファンも少なくないと思う。

一方で、即戦力として期待される怪物ヴラホビッチの加入により、ユヴェントスのチーム内で自身の立場が大きく変化してくる選手もいるにちがいない。特に、今冬にバルサ行きが噂されるも、チームに残ることが濃厚とされるスペイン代表FWアルバロ・モラタは、少し危うい立場になってしまうかもしれない。

まずポジションが被ることに加えて、体格やプレイスタイル的に見ても、FWパウロ・ディバラよりも前線のスタメンを選ぶ上でヴラホビッチと天秤にかけられる可能性が高い。さらに、ここまでの出来がすごく悪いかといえばそうではないかもしれないが、リーグ戦22試合に出場して5ゴール3アシストと、目に見える数字が少々もの足らない。こういった状況もあり、勢いのあるヴラホビッチにあっさりとスタメンの座を奪われてしまう可能性がある。
ただ、あくまで先に述べたのはヴラホビッチとモラタのどちらか1枚を選ばなければならない状況の場合である。ヴラホビッチとの共存が完全に不可能かといえば、そうではないだろう。ディバラが相変わらず怪我がちなため、先のミラン戦のように[4−4-2]を採用して、ヴラホビッチと2トップを組むことも大いにあり得る。しかし、元々左サイドの選手層がやや薄めなことに加えて、最近は2トップではなく、センターFWを1枚にする[4-3-3]や[4-2-3-1]を採用することも多い。さらに、フェデリコ・キエーザの長期離脱や移籍が迫っているとされるデヤン・クルゼフスキのことなどを考えると、現在のチーム状況で理想的なのはモラタを左サイドへコンバートすることか。もしモラタがサイドをこなせるようになれば非常に心強く、ユヴェントスの飛躍の鍵となるかもしれない。

実際に、マッシミリアーノ・アッレグリ現ユヴェントス監督はかつて、ゴリゴリのセンターFWタイプであった元クロアチア代表FWマリオ・マンジュキッチをサイドへコンバート。マンジュキッチの新たな才能を開花させ、チームを大いに飛躍させてみせた。つまりモラタの“マンジュキッチ化”を狙うわけだ。モラタはポジション取りに長け、元々献身性も高いアタッカーなだけに、決して不可能なプランではないように思う。実際、伊『Gazzetta dello Sport』などいくつかの地元メディアも、モラタの“マンジュキッチ化”について取り上げている。

はたして、モラタの“マンジュキッチ化はあるのか。アッレグリ監督の今後の手腕や起用に注目だ。

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