PSGは爆速サイドバック・ハキミを活かせていない? モロッコ代表で魅せる圧巻の攻撃力

モロッコ代表の右サイドを支配するハキミ photo/Getty Images

代表では攻撃の主軸

惜しくもアフリカ・ネイションズカップ準々決勝でエジプト代表に延長戦の末敗れてしまったが、ヴァイッド・ハリルホジッチ率いるモロッコ代表は大会を通して印象的な戦いを披露した。

中でも両サイドを切り裂く攻撃の主軸となったのが、左サイドハーフに入るアンジェ所属MFソフィアン・ブファル、右のサイドバックを担うパリ・サンジェルマン所属DFアクラフ・ハキミだ。

ブファルはアフリカのファンタジスタと言っていいテクニックとアイディアを備えており、今大会では5試合で3得点を記録。大会を盛り上げる主役の1人となった。

ハキミの場合はブファルほど細かな技術は持っていないが、とにかく速い。仏『Foot Mercato』はハリルホジッチが2人の特長を上手く引き出していたと評価しており、左はブファルを中心としたチャンスメイクで活かし、右はハキミのオーバーラップで支配する。対照的なサイドの使い方だが、ハキミのいる右サイドは右のサイドハーフが中に入ってスペースを作ってあげた方がいいだろう。

ただ、同メディアはパリ・サンジェルマンはそうしたハキミの強みを活かせていないと嘆く。リーグ・アンとアフリカ・ネイションズカップではレベルに違いがあるだろうが、リーグ・アンでのハキミは1試合平均ドリブル成功数が0.7回まで落ちる。今大会では倍の1.4回成功させており、モロッコ代表での方が良さを出せているのかもしれない。

合計数で見ると、ハキミは今季リーグ・アンで1421分間プレイしてドリブル成功数が12回、対してアフリカ・ネイションズカップでは450分間のプレイタイムで7回成功させている。また、シュート数もパリでは11本なのに対し、今大会では9本も打っている。積極的にエリア外から狙う姿勢も目立ち、モロッコでは存分に攻撃性を活かしている。

昨季所属していたインテルでもシュートは39本、2019-20シーズンはドルトムントで38本打っており、それと比較するとパリではシュートが少ない。ドリブルもドルトムント時代の2019-20シーズンには73回も成功させており、まだパリはハキミの良さを最大限引き出せていないのかもしれない。

同メディアは今季より加わっているリオネル・メッシとのコンビネーションを気にしているが、パリでもハキミは右サイドを支配する存在となっていくのか。また1つ指揮官マウリシオ・ポチェッティーノは課題を突きつけられることになった(数字は『WhoScored』より)。

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