ここ10年で大きく差のついたマンチェスター両雄 合計33億4400万ユーロを移籍市場に投資した2クラブの明確な違いとは

シティはジョゼップ・グアルディオラを招聘し、成功したがユナイテッドはどうなのか photo/Getty Images

移籍方針を見直したい

莫大な放映権料がクラブに入るということもあり、ここ最近の移籍市場ではプレミアリーグのクラブが主役になることが多く、今冬の移籍市場では買収され、新しくなったニューカッスルが9000万ポンドの大金を使った。

同じくマンチェスターの2クラブは移籍市場でも主役になることが多く、冬は静かだったが、夏の移籍市場では両クラブ共に100億円以上の大金を投資している。

英『90min』では12-13シーズン以降の各クラブの移籍での支出、収入をまとめており、支出のトップが16億9900万ユーロでマンチェスター・シティ、15億4500万ユーロでマンチェスター・ユナイテッドが4位となっている。

ここ10年同じような金額を市場に投資した2クラブだが、タイトルの数ではシティが大きくリードしている。プレミアでいえば12-13シーズンからシティは4回、ユナイテッドは1回、FAカップではそれぞれ1回ずつ、カラバオカップはシティが6回、ユナイテッドが1回となっている。この間にユナイテッドはELを一度制したが、本来両クラブはCLのタイトルを目指しており、大きな差にはならないか。

このことから分かるのは両クラブの移籍市場での成果の差だ。ユナイテッドとの1億5000万ユーロの差はあるものの、シティは強力なスカッドを作り上げた。しかし、ユナイテッドの今のスカッドは強力と呼ぶにはチグハグしすぎている。

選手を獲得するフロントの差もあるといえるが、監督人事も大きく影響しているだろう。シティはここ10年でマヌエル・ペジェグリーニ、ジョゼップ・グアルディオラの2人がトップチームの監督になったのに対し、ユナイテッドはデイビッド・モイーズ、ライアン・ギグス、ルイ・ファン・ハール、ジョゼ・モウリーニョ、オーレ・グンナー・スールシャール、マイケル・キャリック、ラルフ・ラングニックと暫定監督を含めると7人の監督がチームを率いている。トップチームの監督は非常に重要であり、選手獲得にも影響を及ぼす。シティのようにブレずに補強を行えれば問題ないが、ユナイテッドのように軸が、つまり監督の方針がブレてしまうと、上手くお金を活用することはできない。

とはいえ、来夏に新たな監督を呼ぶことができるのはチャンスであり、ペップやリヴァプールのユルゲン・クロップのような長期でクラブを強化してくれる監督を選ぶべきだろう。

ここまで積極的に移籍マーケットに投資するも、上手くいっていないユナイテッド。シティやリヴァプール、チェルシーのようなプレミアの上位クラブとの差は広がるばかりであり、ここから挽回と行きたいところだ。

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