10年近く続いた“呪い”はようやく解けるのか 久しぶりに暴れるミランのNo.9

今季ミランの前線で重要な戦力となっているジルー photo/Getty Images

すでに7得点挙げる大型ストライカー

2012年にフィリッポ・インザーギが引退してからというもの、着用した選手がことごとく活躍できないという事態に見舞われていたACミランの“背番号9”。かつてはマルコ・ファン・バステンやジョージ・ウェアといった名手も背負った番号なのだが、そのプレッシャーからか近年9番を背負った後輩たちはその誰もが伸び悩んだ。

インザーギの後を受けたアレシャンドレ・パトに始まり、昨季退団したマリオ・マンジュキッチまで、この“9番の呪い”に沈んだのは9年間で実に10名にも及ぶ。しかし、その呪いもついに解けるときがきたのか。今季からミランでこの背番号9を着用しているフランス代表FWオリヴィエ・ジルー(35)は、ここまで非常に元気な姿を見せている。

今季はリーグ戦15試合に出場して7得点。インザーギ以降にミランの9番を背負った選手で1シーズンに最もリーグ戦での得点数が多かったのは15-16シーズンに8ゴールを挙げたジャンルカ・ラパドゥーラだが、ジルーはあと10試合ほどを残してそれに1点差と迫っている。得点量産と言うほどではないが、先日のミラノ・ダービーにおける2得点などを筆頭に印象的な場面でのゴールも少なくない。ジルーが今後も現在のフォームを維持することができれば、ミランで“9番の呪い”が過去のものとなる可能性も決して低くないだろう。

「今季のジルーの活躍には目を見張るものがある。9番の呪いはもう解けかけていると言っていいかもしれない。チェルシーからやってきた男にミラニスタは敬意を表しているはず。その得点数だけでなく、彼がミランでこなしている仕事は間違いなく高い評価を受けるべきだ」

そして、そんなジルーの活躍は伊『calcimercato』もこのように高く評価している。得点だけでなく、前線で味方を活かす動きにも優れた彼の貢献度は、やはり計り知れないと言っていい。10年近くも続くミラン“9番の呪い”だが、頼れる大型ストライカーによって負の連鎖は断ち切られようとしている。

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