開幕戦から得意の1対1が光った “最後の防壁”が川崎の3連覇へのキーか

試合後のインタビューに応じるチョン・ソンリョン photo/スクリーンショット

12年ぶりのGKによるリーグMVPも期待

18日、2022明治安田生命J1リーグがついに開幕した。オープニングマッチは、3連覇を目指す王者・川崎フロンターレと新体制の下で飛躍を目指すFC東京の多摩川クラシコ。新シーズンの幕開けにふさわしい緊迫した試合となったが、ホームの川崎が最後の最後で王者の意地を見せ、1-0の勝利をつかんでいる。

この一戦で素晴らしい活躍を見せたのが川崎の守護神を務めるGKチョン・ソンリョン。直近の5年間で4度の優勝を誇り、常勝軍団となりつつある川崎において、同選手はなくてはならないピースである。最後の砦としてライバルたちに立ちはだかり、JリーグMVPを獲得してもおかしくはないシーズンがこの5年間で何度もあった。いや、もし彼がいなければ、5年間で4度の優勝は成し遂げられなかったかもしれない。近年は圧倒的な強さを見せてきた攻撃陣に注目されがちではあったが、それほどチョン・ソンリョンの守備面での貢献度は計り知れない。

そして、2022シーズンの開幕戦となった今回の多摩川クラシコでも、最後の砦としての存在感は抜群だ。24分、51分とレアンドロの決定機を阻止したほか、松木玖生やディエゴ・オリヴェイラなどの強烈なミドルシュートもことごとくセーブ。冷静な判断や的確なポジショニング、抜群のセービングでチームを勝利へ導いてみせたのだ。

そんなチョン・ソンリョンは試合後、開幕戦を次のように振り返っている。

「チームのために最善を尽くして、僕だけじゃなく、全員で勝ち取った勝利だと思います。まだまだ完璧ではなく、成長しなければならないところもあります。スーパーカップを経て反省することは反省して、監督が求めるように『勝ちながら成長していく』ということを追求してしていきたいと思います」

「FC東京の前線には3人の速い選手がいるので、試合前から1対1の場面が来るのではないかとイメージしていました。ただ、僕は1対1には自信があったので、身体が1対1に対して、シュートに対して反応した感じです。目の前の試合に勝ち続けるだけです。今回、勝ち点3を得たのは大きいですし、本当に1戦1戦、目の前の試合に勝って成長していきたいです」

チョン・ソンリョンが川崎の“最後の防壁”として今季もこのまま安定したパフォーマンスを発揮し、チームをクラブ史上初の3連覇へと導くことができれば、2010シーズンに受賞した楢崎正剛氏(元名古屋グランパス)以来、12年ぶりとなるGKによるリーグMVPも狙えるのではないか。今後の活躍にも注目が集まる。

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