今では“3バック”が当たり前の時代に ペップも絶賛するコンテの手腕「世界がコピーした」

3バックで結果を出してきたコンテ photo/Getty Images

以前は4バックが主流だった

現在指揮するトッテナムでこそ苦戦を強いられているが、チームの指揮官アントニオ・コンテは2010年代のサッカー界を代表する名将の1人と言っていい。それはユヴェントス、チェルシー、インテルでリーグ制覇を達成してきた実績もそうだが、戦術のトレンドに手を加えたことが大きい。

2000年代は主に4バックを採用するチームが大半だったが、コンテは3バックを軸に成功を収めてきた。3バックを活用してきたのはコンテだけではないが、コンテの成功に刺激を受けた指導者たちは多いはず。今では3バックが再びスタンダードになりつつあり、当たり前のように採用するチームが増えている。

コンテ率いるトッテナムは19日にマンチェスター・シティとの打ち合いを制して3-2で勝利を収めたが、対戦前には相手の指揮官ジョゼップ・グアルディオラもコンテの影響力を称賛していた。

「コンテの影響力は明らかだ。以前は4バックだったが、今では多くのチームが5バックでプレイし始めたからね。5-4-1、あるいは5-3-2だ。世界はこのサッカーをコピーした。誰もがこのようにプレイしたいと考えている。彼は多くのチームを変えたし、素晴らしい形でプレミアリーグも制した」(英『Evening Standard』より)。

守備時には5バックに切り替わり、攻撃時には両ウイングバックが高い位置を取って攻撃参加する。今では超攻撃的ウイングバックも1つのトレンドとなっているが、これも3バックが浸透したからこその流れだろう。ウイングを主戦場にしていた選手が攻撃性を活かすべくウイングバックにポジションを下げる例も増えている。

それは現在のトッテナムも同じで、コンテの中にはチームを修正するための明確なアイディアがある。この3バックシステムがフィットすればトッテナムも浮上できるはずで、コンテの要望を叶えるべく積極的な補強へ動くべきなのだろう。ここまでトッテナムでの仕事は大成功とは言えないが、コンテの評価が落ちることはない。戦術面でもコンテは現代を代表する指揮官の1人と言っていいはずだ。

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