[4-3-3]はアジア限定? 日本代表がW杯で勝つために習得すべきは3バックシステムか

今のアジアの出来でW杯に臨むとは考えられない photo/Getty images

問題は時間のなさか

残すところ2戦となったワールドカップ・カタール大会に向けたアジア最終予選。森保一監督が率いる日本代表は6勝2敗とグループBで2位に付けており、3月24日に予定されているオーストラリア戦に勝利すれば本大会への出場が決まる。

初戦オマーン戦に負けた際はどうなるかと思われたが、カタール大会への道が着々と近づいている。そろそろ次のステージの戦い方を考えるべきだ。

具体的には3バックの導入だ。今の代表は基本的に[4-3-3]だが、これは比較的、主導権を握って戦うことのできるアジアで通用する戦い方であって、格上だらけのW杯本大会に向いているシステムではない。

その点3バックは守備時に5バックとなるため、押し込まれてもある程度跳ね返すことができる。そこからのカウンターにスムーズに移るための工夫は必要だが、アジアで苦戦している現状を考えれば攻めよりも守りを重視したシステムが勝つためには必要となる。

また、現状の人材はどちらかといえば3バック向きかもしれない。守備の中心となるセンターバックには吉田麻也、冨安健洋、板倉滉、中山雄太、谷口彰悟が選ばれており、招集外であればシュツットガルトの伊藤洋輝やロイヤル・ユニオン・サン・ジロワーズの町田浩樹までいる。今の代表で最も層の厚いポジジョンといっても過言ではない。彼らはビルドアップに守備にと両方で高い能力を持っており、現代的な頼れるCBだ。

そもそも、代表を率いる森保監督は3バックの使い手だ。サンフレッチェ広島時代には1トップの下に2シャドーを並べる[3-4-2-1]を志向しており、2012年、2013年、2015年の4年で3度のリーグタイトルを獲得する黄金期を築いている。当時の広島のような戦い方を今の代表に当てはめるのは悪くない選択だ。何より今の代表の攻撃的な選手は南野拓実や鎌田大地などシャドーで生きる選手が多い。軸となる佐藤寿人のようなセンターフォワードの不在は気になるところだが、攻守共に移行した際にメリットがある。問題は本大会までの時間のなさだが、そこは森保監督の手腕にかかっている。

現在はどちらかといえば、自分たちを中心としたシステムで戦っているサムライブルー。しかし、今後対戦相手のレベルが上がることになれば継続することが難しくなる可能性は高く、システム変更も視野に入れるべきだ。

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