5500万ユーロの輝きは今回もお預け 未だ波に乗り切れていないバルセロナFW

リーグ戦でのゴールがないフェラン・トーレス photo/Getty images

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まだ時間がかかりそうだ

シャビ・エルナンデスが監督に就任した11月から約4ヵ月が経とうとしているが、新生バルセロナは怖いくらいに順調だ。

ロナウド・クーマン時代のどんよりとした空気は消え、ピッチ内は若手と新加入選手の躍動感にあふれている。若手でいえばガビや復帰したペドリが輝いており、新加入組ではアーセナルからやってきたピエール・エメリク・オバメヤンが直近の公式戦3試合で6ゴールと大暴れしている。ストライカーとして非常に優秀であり、センターフォワードはスタートにオバメヤン、終盤に高さもあるルーク・デ・ヨングの投入が鉄板パターンになるか。

しかし、オバメヤンと同じく冬の移籍市場で加わった若手が勢いを失いかけている。マンチェスター・シティからやってきたFWフェラン・トーレスだ。

5500万ユーロに加え、ボーナス1000万ユーロと財政難とは思えない奮発ぶりを見せシティから獲得したトーレス。いわば今冬の目玉であるが、ここまでの活躍は目立ったものではない。2戦目となるアスレティック・ビルバオ戦で強烈なミドルシュートを叩き込んだが、今のところあのシュートがピークになってしまっている。数字だけをみれば1月加入からの短時間で2ゴール3アシストと悪くないが、内容がよくない。

サイドのウイング、ストライカーのポジションでプレイできるということでチームに加わったトーレス。現在はウイングで起用されているが、ウスマン・デンベレのような器用さもなく、アダマ・トラオレのような縦への突破力もない。ボックス内でのポジショニングはいいが、シュートはゴールに入らず10本打っていまだにリーグ戦でのゴールはなく、オンターゲットは2本のみと苦しい。大事な場面でのトラップミスが目立ち、まだまだ足りない部分が多すぎる。

他のウインガーと比較しても今のトーレスの状態は難しい。デンベレはドリブルにラストパスにと複数の武器があり、トラオレは縦への突破からクロスとこれ一つだが、それを何度も繰り返しチャンスを生む。しかし、今のトーレスは明確な武器がなく、アピールするのが難しくなっている。アスレティック戦で起用された左ウイングはなれないポジションであり、起用法も定まっていない。

加入からまだ時間がそこまで経っていないとはいえ、出口は見えないトーレス。今後も伸びしろを考えれば今のFW陣でもトップかも知れないが、現時点でも貢献度でいえばかなり低いものになってしまう(データは『SofaScore』より)。

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