W杯王者に続く“グループ敗退の呪い” ポグバ、グリーズマンら仏代表は優勝メンバーどこまで信じる?

2018年大会を制したフランス代表 photo/Getty Images

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フランス代表も盤石とは言えない

2018年のワールドカップを制したフランス代表は、今年のカタール大会でも優勝候補の一角だ。当然狙うは連覇である。

しかし、近年のワールドカップ王者にはグループステージで消えるという嫌な流れが続いている。2006年大会の王者イタリア代表が2010年大会ではグループステージで敗退し、2010年大会の王者スペイン代表は2014年大会でグループステージ敗退。2014年大会王者のドイツ代表は2018年大会でグループステージ敗退の屈辱を味わった。

フランスも1998年大会を制した後、4年後の2002年大会ではグループステージ敗退に終わってしまった。仏『Football365』も当時の嫌な記憶が残っていると指摘しており、今のタレント軍団・フランスとて油断はできない。
ワールドカップ王者を悩ませるのは、世代交代だ。やはり主力の中には4年の歳月を経て衰える者も出てくるため、その際にワールドカップ優勝メンバーを容赦なく切り捨てられるかどうかが1つのポイントになる。優勝メンバーを信用しすぎて世代交代が遅れると、待っているのは最悪の結果だ。

2002年の日韓大会に臨んだフランスは、1998年大会の優勝メンバーの中から14人を日韓大会へ連れてきていた。もちろんそれが間違いというわけではないが、中には32歳のDFビセンテ・リザラズ、33歳のDFマルセル・デサイー、34歳のDFフランク・ルブーフなどベテランも入っている。4年前と比較して今がベストコンディションかを冷静に見極める必要はある。

では、今のフランス代表メンバーはどうだろうか。気になるメンバーとしては、35歳を迎えた守護神ウーゴ・ロリス、マンチェスター・ユナイテッド移籍後は負傷が気になるDFラファエル・ヴァラン、同じくマンUのMFポール・ポグバも今季は長期離脱していた期間があり、2018年以降は一貫性に欠ける。

この4年間でバルセロナでの失敗、アトレティコ・マドリードへの復帰、今季の負傷離脱などドタバタしたところのあるFWアントワーヌ・グリーズマン、怪我続きのバルセロナFWウスマン・デンベレも計算しづらいか。

特にグリーズマンは前回の優勝に欠かせぬ中心メンバーだったが、4年前と今のどちらが良い状態かは一目瞭然だ。レアル・マドリードで好調を維持するFWカリム・ベンゼマが復帰するなどポジティブな話題もあるが、代表監督ディディエ・デシャンもメンバーにはいくつか手を加えるべきだろう。

フランスはワールドカップ王者に続く呪いを解けるだろうか。今も屈指のタレント集団ではあるものの、前回大会のドイツもまさかグループステージで消えるなんて予想できなかった。2014年大会のスペインだってそうだ。

カタールでのフランスも安心できないが、デシャンは歴代王者たちの失敗から何を学ぶのか。前回優勝メンバーとの肩書は一旦忘れてメンバーを選ぶべきだろう。

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