徐々に明らかとなる1億ポンドの価値 ペップがスターリングではなくグリーリッシュを起用したわけ

マンチェスターダービーに先発出場したジャック・グリーリッシュ photo/Getty images

今後はより重要な存在として重宝されるか

プレミアリーグ第28節マンチェスター・シティ対マンチェスター・ユナイテッドのマンチェスターダービーが行われ、4-1でシティが快勝を収めている。カウンターをジェイドン・サンチョに決められた場面では流れがユナイテッドに行きかけたが、ケビン・デ・ブライネが再びリードを奪い、最終的にその差は縮まることはなかった。

2位リヴァプールとの勝ち点差を再び3に広げたシティだが、意外だったのはジャック・グリーリッシュの先発起用だ。基本的に今季は右ウイングにリヤド・マフレズ、センターフォワードにフィル・フォーデン、左にラヒーム・スターリングが鉄板の並びだった。実際にエヴァートン、トッテナム、ノリッジとの3試合では左にスターリングが入っている。

結果、この采配が大正解だった。グリーリッシュはどの体勢でボールを受けてもロストしないため、左サイドを高く保つことができていた。アーロン・ワン・ビサカを抜くことはできずとも左サイドバックのジョアン・カンセロやインサイドハーフのベルナルド・シウバとの連携で深い位置まで運ぶことができており、ワン・ビサカを個で突破せずに左サイドを攻略している。これがスターリングであればワン・ビサカに攻撃をはじき返され、カウンターの起点にされてしまっただろう。サンチョに決められたようにユナイテッドのカウンターは鋭く、ペップとしてもボールをできるだけロストせず、ピンチになる回数を減らすためにグリーリッシュを起用したといえる。英『manchester evening news』の採点では「これが1億ポンドの価値を持つ男だ。ダイナミックでインテリジェンスがあり、ゴール以外の仕事をすべてやりきった」と高く評価されている。

同メディアでも指摘するように残すは得点での活躍だ。ロストを嫌ってか仕掛けるシーンは少なく、アタッキングサードではカンセロやシウバに任せることが多かった。この場面でより驚異的な存在となれば、より評価は上がることになる。

最大のライバルとの大一番で起用され、勝利に貢献したグリーリッシュ。左サイドでのキープ力は魅力的であり、今後も1億ポンドの輝きを披露してほしい。

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