“35万ユーロ”で日本の天才を発掘したのは奇跡 ドルトムントは第2の香川真司見つけられるか

ドルトムントでリーグ連覇に貢献した香川 photo/Getty Images

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ここまで低コストで宝石見つけるのは困難との見方も

ドルトムントは世界的にも補強の上手いクラブであり、近年もコストを抑えて有望な選手を集めてきた。しかし、まだスヴェン・ミスリンタート氏がクラブにいた頃獲得された現シント・トロイデンMF香川真司を超える大ヒットはそう起こるものではない。

香川は2010年にセレッソ大阪からドルトムントへ移籍したが、ドルトムントが支払ったのは僅か35万ユーロだ。世界的にもまだ無名に近い存在で、ドイツのサッカーファンもほとんど知らなかったはず。それでも実力はすでにトップレベルだった。これだけ低コストでいきなりブンデスリーガ制覇に貢献してくれる攻撃的MFなどそう見つかるものではない。

実力、コストの両面でドルトムントが目指すべき理想的な補強だったが、独『DerWesten』は香川が極めてレアなケースだったと振り返る。近年では移籍金が高騰しているところもあり、香川のような未完の宝石を発掘するのが難しくなってきているのだ。
現在ドルトムントはFWアーリング・ハーランドが退団した場合に備えて後釜の確保へと動いており、候補者としてはザルツブルクFWカリム・アデイェミ、リールFWジョナサン・デイビッドといった名前が上がっているが、彼らはそれほど安価で獲得できる選手ではない。

100万ユーロ以下の価格で引き抜けた香川のような選手が理想だが、そう簡単には見つからない。ブンデスリーガ制覇を狙えるレベルの選手を引っ張ってくるためにはそれなりの資金が必要で、当時の香川発掘はドルトムントにとって奇跡に近いビジネスだったのだろう。

ハーランドの後釜確保にはお金がかかり、仏『Foot Mercato』はドルトムントが資金を捻出するため今夏に11人ほどの選手を手放す考えがあると伝えている。トルガン・アザール、ユリアン・ブラント、ニコ・シュルツ、マリウス・ヴォルフ、エムレ・チャン、ロマン・ビュルキ、マヌエル・アカンジといった選手の名前が挙げられており、来季の補強へドルトムントは苦労することになるかもしれない。

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