南米の若手実力者続々参戦&アメリカ代表強化 もうMLSはベテランが集まるリーグではなくなった

欧州行きも噂されたアルマダはアメリカへ photo/Getty Images

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リーグレベル向上と若手育成の両面が機能し始めた

以前は欧州で活躍したベテラン選手が集まる娯楽性の高いリーグになるかと思われたが、ここ数年でアメリカ・MLSは大きく様変わりした。今もベテランのスター選手を惹きつける環境ではあるものの、もはや強みはそれだけではないのだ。

特長の1つに、南米の若手選手参入が挙げられる。現在MLSでプレイしている選手の市場価値ランキングを見ると、上位5名は全員南米の選手が占めている。

4位タイは昨夏フランスのリールからアトランタ・ユナイテッドに移籍した25歳のブラジル人MFルイス・アラウホと、2020年にボカ・ジュニアーズからミネソタ・ユナイテッドに加わったアルゼンチン人MFエマヌエル・レイノソ(1000万ユーロ)、3位は今冬にアルゼンチンのインデペンディエンテからFCダラスに加わった19歳のアルゼンチン人FWアラン・ベラスコ(1200万ユーロ)、2位はアトランタ・ユナイテッドで得点を量産する28歳のベネズエラ人FWホセフ・マルティネス(1250万ユーロ)、そして1位は今冬にベレス・サルスフィエルドからアトランタ・ユナイテッドに加わったアルゼンチン期待の20歳FWティアゴ・アルマダ(2000万ユーロ)だ。
中でもベラスコ、アルマダのアルゼンチン若手アタッカーコンビのMLS参戦は衝撃が大きく、両名とも欧州トップリーグに向かうだけの力はあったはず。彼らの参戦はMLSのレベルを上げることにも繋がるはずで、南米からやってきた若手選手は高額年俸を手にすべく成功に飢えている。

アウグスブルクへ向かったペピはMLSが生んだ特別な才能 photo/Getty Images

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アメリカの若手は続々と欧州5大リーグへ

その一方でMLSはアメリカ代表の強化にも力を入れている。自前で育てた若い選手を欧州5大リーグへ送り出す動きを強めており、彼らは若くて能力も高い。しかもそこまで獲得コストもかからないとあって、欧州のクラブからすれば魅力的だ。

今冬にはDCユナイテッドから18歳のMFケビン・パレデスがドイツのヴォルフスブルクに668万ユーロの移籍金で移籍。他にも21歳のFWダリル・ダイクはオーランド・シティSCからイングランドのWBAに864万ユーロ、FCダラスから19歳FWリカルド・ペピがドイツのアウグスブルクに1636万ユーロで移籍するなど、MLSのクラブにとって彼らの売却は大きな利益だ。

ポイントの1つは若さで、独『Sport1』も10代のうちからMLSで経験を積んでいる点を評価する。今冬のパレデス、ペピはもちろん、2020年にFCダラスからイタリアの名門ローマへ加わったDFブライアン・レイノルズも18歳だった2019年のうちにMLSでデビューを済ませている。ここにアメリカの各クラブは力を入れているのだ。

そうしたタレントを直接5大リーグへ送り込めているのは大きく、アメリカ代表の力となっていくだろう。自国のリーグを盛り上げつつ、若手も育てて代表を強化する。この両方が機能し始めたMLSは理想的な環境となりつつあり、ここはJリーグも参考にすべきポイントだろう。

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