かつてミランで神童と呼ばれた男が“所属なし” 23歳で行き場失うモロッコの才能

かつてミランで大きな期待を背負っていたマストゥール photo/Getty Images

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2部や3部も経験した末に

かつてACミランにいた若き逸材MFを覚えているだろうか。そう聞けば何人か候補が頭に浮かぶだろうが、わずか14歳でレッジーナからやってきたと言えばピンとくる人も多いだろう。2014年から2018年まで在籍したMFハキム・マストゥールである。

加入当時は“神童”と呼ばれていたマストゥール。柔らかく、正確なボールタッチで次々と相手を翻弄するドリブルは、とても育成年代の選手が披露するものではなかった。「驚異的」、「天才」、「ミランの未来」……。ファンからの期待を一身に受けていたことは間違いない。モロッコ代表でも背番号10のシャツを身に纏い、当時は明るい未来を見据えていたはずだ。

しかし、結局この逸材がロッソネリで輝くことはなかった。キャリアの歯車が狂い始めたのは、2015年夏のマラガへのレンタル移籍だ。武者修行に出されたマストゥールだったが、トップレベルへの対応に苦しみ2015-16シーズンは出場わずか1試合に終わった。
才能は評価されていただが、試合に出られない。そんなマストゥールの苦悩は翌年に再度レンタルへ出されたズヴォレでも続き、最終的には2018年夏にミランを退団することとなってしまった。そして、その後はラミア(ギリシャ)やレッジーナ(セリエB)、アスレティック・カルピ(セリエC)を経て昨夏フリーに。カルピではようやくプロ初ゴールをゲットしたのだが、現在の同選手は23歳の若さで所属先を探す日々を送ることとなっている。

かつてはミランでその将来を嘱望されていたものの、 若くしてサッカー界から姿を決してしまいそうなマストゥール。まだ20代前半ということもあって復活には期待したいところだが、若きMFの未来やいかに。

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