偏りが見られたシティの攻撃 なぜペップは左サイドからの攻撃にこだわるのか

マンチェスター・シティを指揮するジョゼップ・グアルディオラ photo/Getty images

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ペップの考えが見える面白いゲームであった

宿敵マンチェスター・ユナイテッドを倒し、マンチェスター・ダービーを制したマンチェスター・シティ。この試合は特にケビン・デ・ブライネのコンディションがよく、彼の圧倒的なスキルにユナイテッドは手も足も出なかった。

そんなシティだが、ダービーでの戦い方が非常に特徴的だった。攻撃の際は左サイドのジャック・グリーリッシュにボールを集めており、右サイドのリヤド・マフレズにボールが渡ることは少なかった。英『The Athletic』もこのことを取り上げており、右サイドからの攻撃が23%、中央からが26%、左サイドからが51%と、左サイド中心の攻撃だったことがわかっている。

なぜこうなったのか。シティからみて左サイドには守備の名手であるアーロン・ワン・ビサカがおり、以前のゲームではラヒーム・スターリングが苦しめられている。この試合ではジャック・グリーリッシュが先発だったが、ワン・ビサカを突破したシーンはなく、それであれば右サイドのアレックス・テレスをマフレズで攻めるのが定石だといえる。

しかし、ペップは左サイドで約半分の攻撃を行った。考えられる要因として右のマフレズをより際立たせるためにあえて逆サイドで攻撃したと考えられる。シティは相手を押し込むことが多く、そのため単騎での突破が難しくなってしまう。マフレズもドリブラーとしてはトップレベルだが、2人以上を相手にするとなれば厳しい。が、左サイドに攻撃を集中させ、一気に右サイドにボールを運べばマフレズに対応するDFの数は少なくなり、普段より少ないプレッシャーの中でプレイすることができる。得点につながった場面ではないが、実際に左サイドに選手を集め、逆サイドのマフレズに展開してシュートに持ち込むシーンは何度か見られている。

また、左サイドに偏った攻撃はこの試合だけでなく、シーズン通しての平均も左サイドが最も高い40%だと同メディアは報じている。右サイドにはマフレズ以外にも選手は入るため、数字のばらつきはあるものの、左サイドにキープ力のあるグリーリッシュ、右サイドにマフレズが先発となった試合でシティの選手は一気にサイドチェンジを狙っているということであり、次回からのシティのゲームはこういったことを考えながら見るのも面白いかも知れない。

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