守れるだけのGKはもう時代遅れ? デ・ヘアが選外となったスペイン代表にダビド・ラジャが初招集

スペイン代表に選ばれなかったデ・ヘア photo/Getty images

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ブレントフォードでの評価は高い

スペインサッカー協会は18日、3月末に予定されている国際親善試合を戦う23人のメンバーを発表している。ワールドカップ・カタール大会への出場はすでに決まっており、本大会に向けて新戦力であるブレントフォードのGKダビド・ラジャを招集した。

ラジャはスペイン国籍の選手だが、ユースではイングランドのブラックバーン所属であり、現在の所属クラブであるブレントフォードもプレミアとスペイン人にしては珍しい経歴の人物だ。アンダー世代での代表経験はなく、初となる代表入りを果たした。

そんなラジャはシュートストップに加え、ビルドアップやDFの裏のスペースのカバーリングを行うことができる現代的なGKだ。特に高精度のプレイスキックからのビルドアップは強みであり、ブレントフォードと対戦した際にリヴァプールの指揮官であるユルゲン・クロップは西『MARCA』にて「10番の選手としてプレイできる」とラジャの技術の高さを絶賛している。

スペイン代表のGKは今回3人選ばれたが、どの選手もビルドアップでの働きが期待できる。正守護神アスレティック・ビルバオのウナイ・シモンやブライトンのロベルト・サンチェスは普段から後方からのつなぎを所属クラブで求められており、サンチェスのパス成功数753本はマンチェスター・シティのエデルソン・モラレスさえ凌ぐ数字だ。

一方でビルドアップを強みとしていないマンチェスター・ユナイテッドのダビド・デ・ヘアは選外となった。プレミアリーグでのセーブ数105本とリーグ2位のセービング力を持つ同選手だが、チームでの戦術もあってかビルドアップに貢献する機会は少ない。代表監督であるルイス・エンリケはセービングよりもビルドアップでの貢献度の高さを選んだのであろう。

現代サッカーでのGKのトレンドはセービングとビルドアップを両立することだ。特に組み立てに関してはボールを保持するサッカーをするのであれば必要不可欠な能力であり、守れるだけのGKはもう時代遅れなのかもしれない。

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