プレミアはBIG6だけにあらず 先頭集団を追う恐怖の曲者8クラブ

今季はデクラン・ライス率いるウェストハムがBIG6にプレッシャーをかけている photo/Getty images

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資金力もあるのだろう

21-22シーズンのプレミアリーグも終盤に差し掛かっており、残りの試合数は10試合を切っている。順位表を見てみると、首位マンチェスター・シティ、2位リヴァプールと並んでおり、6位マンチェスター・ユナイテッドまでがBIG6と呼ばれるプレミアを代表する強豪が名を連ねている。好不調激しいチームたちだが、地力ではこの6クラブが群を抜いている。

それでも、近年では昨季5位でフィニッシュしたレスター・シティのようにBIG6を追う第2勢力が力をつけてきており、プレミアを面白くしている。

ここまで7位とBIG6の後ろを間近で追いかけているのがウェストハムだ。今季は名将デイビッド・モイーズのもとで好調を維持している。ここ最近はELもあって失速気味だが、まだまだCL出場権の可能性があるチームだ。特にFW陣は曲者揃いであり、ジャロッド・ボーウェン、サイード・ベンラーマはBIG6でやれる実力を持っている。

川辺駿の加入で話題となった8位ウルブズは今季堅守を見せてくれている。総失点数26点はリーグ4位の数字であり、ジョゼ・サーを中心にどんな攻撃でも跳ね返すことができる。チャンピオンシップから昇格してプレミアの常連となっており、ブルーノ・ラージ新監督のもとで今後も成長を続けるだろう。

ここからは少し差はあるが、ハマーズやウルブズのような未来の第2集団が生まれようとしている。

9位アストン・ヴィラは夏・冬で大型補強に成功し、シーズン途中にはスティーブン・ジェラードというリヴァプールのレジェンドを監督として招き入れた。この選択は正解だったようで攻守に安定感が生まれており、リーグ戦で3連勝を達成することも。非常に資金力があるチームであり、これからが恐ろしい存在だ。

10位には昨季5位と奮闘したレスターがいる。実力でいえばすでに第2集団だが、今季はけが人が多すぎた。守備の柱となるセンターバックに加え、ジェイミー・バーディが負傷離脱する時期もあった。それでも、キアナン・デューズバリー・ホールのような新しい若手も出てきており、来季は万全の状態でシーズンを戦えることを願いたい。

11位サウサンプトンと12位クリスタル・パレスは若手路線に舵を切って成功を掴んだチームだ。セインツであればアルマンド・ブロヤ、ヴァレンティノ・リヴラメント、カイル・ウォーカー・ピータースら若手とジェイムズ・ウォード・プラウズといった中堅・ベテラン組が上手く融合しており、今季はマンチェスター・シティに対しリーグ戦で2引き分けを勝ち取っている。パレスはパトリック・ヴィエラが監督となったことで若手を多くチームに引き入れた。コナー・ギャラガーが大成功の例であり、マーク・グエーイやミカエル・オリーズ、タイリック・ミッチェルが第2のギャラガーになろうと日々トレーニングに励んでいる。彼らも首位シティとの相性がよく、1勝1分と勝ち越している。

13位のブライトンはリヴァプールに2-2と引き分けるなど、面白いサッカーを展開するが、ゴールが奪えない。ここまで総得点数26点はリーグで3番目に低い数字である。青年監督であるグレアム・ポッターはユルゲン・クロップの後継者といわれるほどの実力の持ち主であり、頼れるストライカーがチームに加われば来季、台風の目になる可能性は十分にある。

14位ニューカッスルは何といっても資金力の豊富さが武器だ。今は14位だが、シーズン中盤は降格圏内にいた時期も長く、冬の移籍市場で多くの実力者を獲得したことで脱出している。来夏の移籍市場ではさらなる資金投下が期待されており、来季第2集団の先頭に立っていても何ら不思議ではない。

ここまでが第2集団とその候補たちとなる。戦力的にはエヴァートンも入ってくるのだが、ここまで17位と今季は大苦戦であり、このままでは降格も十分に考えられる。新監督フランク・ランパードも所属する選手も悪くないのだが、立て直しにだいぶん時間がかかっている。

莫大な放映権が各クラブに分配されることもあって中堅、下位クラブでも実力を持つチームが増えてきたプレミアリーグ。先頭集団と第2集団の差が開くと考えられていたが、どうやらそうでもないようで、今後のプレミアリーグも白熱した真剣勝負が見られそうだ。

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