リオ世代の点取り屋も今は“守備の選手”に 1年半ゴール無しのサムライは中盤で体を張り続けていた

MLSでプレイを続ける久保 photo/Getty Images

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MLSではすっかり異なるスタイルに

本当にサッカー選手のキャリアとはどう動くか予想のつかないものだ。2016年のリオデジャネイロ五輪、2年後のワールドカップ・ロシア大会を目指す日本代表では何よりも得点が期待されていた選手が、今では守備を強みとする選手になっているのだから。

今年も開幕を迎えたアメリカ・MLSで体を張っているのは、FCシンシナティ所属のMF久保裕也(28)だ。

久保がシンシナティに加入したのは2020年のことだが、今や久保のメインポジションは前線ではない。加入当初は攻撃的な位置を任されていたが、今ではセントラルMFの位置が久保の本職である。
そこでは絶対的な主力となっており、今季も開幕から4試合続けてフル出場。中でも目立っているのがタックル成功数で、ここまでリーグ3位となる11回を記録。上はニューヨーク・レッドブルズMFフランキー・アマヤ(14回)、同じくレッドブルズDFディラン・ニーリス(13回)の2人のみで、久保の数字は非常に印象的だ(MLS公式より)。

一方で攻撃面の数字は寂しいものとなっており、久保は昨季もリーグ戦29試合に出場して0得点だった。最後に得点を決めたのは2020年10月のことである。と言っても、チームも今の久保にそこまでゴールは期待していないだろう。求められているのは中盤でバランスを取ることだ。

チームは2020年シーズンが4勝4分15敗で最下位、昨年が4勝8分22敗でまたも最下位と、まるで結果が出ていない。そうしたチーム状況では守備の時間が長くなるのも無理はない。

今年は開幕から2勝2敗と頑張っており、今年こそは最下位を脱出したいところ。できれば久保にも中盤から前線に顔を出して1年半ぶりのゴールを決めてほしい。

代表の方は2018年3月が最後の出場となっており、現状は招集される気配がない。MLSはまだまだ日本では知名度が低く、話題になりにくい。今や久保といえば誰もが久保建英の方を想像するようになり、久保裕也の存在感は薄くなっている。

しかし、MLSで久保は充実の時を過ごしている。代表や欧州でのプレイだけがサッカー選手のキャリアというわけでもなく、年々向上を続けるMLSでキャリアを続けるのも良い選択肢の1つと言えよう。今年の久保は中盤のデュエル・キングとなる可能性があり、シンシナティではキーマンの1人として活躍を続けている。

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