献身的な守備に、強烈なシュートまで 期待感しかなかった“26分間の上田綺世ショー”

短い出場時間だったが、存在感を示した上田綺世 photo/Getty images

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ベトナム戦ではスタメンで見られるか

三笘薫の2ゴールで勝利を決めた日本代表。前半はオーストラリアに攻められる場面もあり、取り消しとなったがゴールネットを揺らされるシーンも。それでも、途中交代でピッチに立った三笘含め、中山雄太、上田綺世、原口元気は素晴らしいパフォーマンスを披露し、終盤での失速を防いでいる。その中でも特に効果的だったのは上田だ。

東京五輪での招集はあったが、フル代表では2019年ぶりと随分久しぶりの代表入りとなった。そういったこともあってか出番は後半からだったが、センターフォワードとして森保一監督の信頼を掴むパフォーマンスだったのは間違いないだろう。

まずは守備での献身性だ。常にボールホルダーに向けてダッシュするわけではないが、しっかり狙いを決めて相手のビルドアップにプレッシャーを仕掛けている。そのため、オーストラリア側は自陣でつながず前線へ蹴りこむことに。結果セカンドボールを回収し、日本ボールになる場面が何度かあった。この守備をしてくれるだけでチームは助かる。

次にキープ力だ。先発の浅野は裏への抜け出しは積極的だが、ボールが収められず前線で起点を作れていない。だが、上田は182cmとサイズもあってかロングフィードを収められ、裏への抜け出しも見せている。選択肢が豊富な選手であり、タスクの多い大迫勇也の後継者として一歩前進した試合だといえる。

最後に強烈なシュートも見せてくれた。残念ながら右にそれてしまったが、ボールを受けてからフィニッシュまでが速く、三笘が投入されるまで最も期待感のあったのが上田だ。フル代表での経験が乏しいため、味方との連携はまだまだだといえるが、この時点でこのクオリティは素晴らしい。

不動の大迫欠場となったゲームでは前半に浅野、後半途中から上田という選択肢を取った森保監督。浅野のスピードで相手のディフェンスラインを疲れさせる選択肢も悪くないが、上田の万能性は後半の短い時間だけでも光っており、ぜひベトナム戦ではスタートから見てみたい。

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