判定に救われた日本代表 権田修一は本当に守護神で当確なのか

ここまでは全試合に出場している守護神の権田修一 photo/Getty images

今回は4人のGKが選ばれた

2-0とオーストラリア代表を完封した日本代表だが、気になったのは運よく失点を取り消されたシーンだ。25分に相手に左コーナーキックを与えてしまい、権田修一がクリアしきれずその流れから山根視来に当たって最終的には日本のゴールネットを揺らしている。権田と競り合っていた選手も権田の邪魔をするというよりはボールにプレイしているように見え、そもそもキーパーへのファウルとして知られるキーパーチャージはルール自体が廃止されている。その後のVARではファウルの判定となり、ゴールは取り消された。SNS上では「ミスジャッジだ」「日本は判定に救われた」との声が多く、ハイボールの処理は課題として取り組む必要がある。

判定に救われた場面であり、守護神権田の対応が気になった。このシーンでは反応が遅れてしまい、パンチングをすることができていない。そこでクリアできればよかったが、できず山根に当たり、そのボールがゴールネットを揺らした。その後の権田のパフォーマンスはセービング、ビルドアップ共に揺らぐことはなかったが、GKは一つのミスが失点につながるポジションであり、今後のセットプレイを考えると権田が当確とはいえないかも知れない。

幸い、次節ベトナム戦は消化試合であり、負けるのは良くないが、試すことのできるテストゲームだ。そこで出番を期待したいのが、シュミット・ダニエルである。現在はシント・トロイデンでプレイしており、ここまでチーム内で最も多い2610分のプレイタイムを得ている。

ビルドアップに貢献できる現代的なGKであり、197cmのサイズを生かしたハイボールの処理を得意としている。今季のクリーンシート数はベルギーリーグで4番目となる9回と、セービング能力の高さも示している。日本代表での経験はそこまでなく、前回の代表戦から呼ばれるようになった。

代表での経験値でいえば権田に分があるものの、実際にどちらが上なのかはハッキリしていない。それでも、シュミットはハイボールの処理が得意であり、シント・トロイデンではクロス対応時に30回のクリアを成功させている。これはリーグで3番目の数字であり、屈強な選手が揃うベルギーリーグでも彼の高さは武器となっている。

ここまでは指揮官の人選や前線の決定力不足が問題視されていた日本代表だが、オーストラリア戦での権田の対応には疑問が残る。もちろん、ミスらしいミスはそれ一つなのだが、GKは一つのミスが命取りであり、ベトナム戦では権田ではなくシュミットの実力が見てみたい。

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