もう1チーム作れるほどの層の厚さ? ボーウェン、トニーらイングランド代表“未デビュー”の逸材たち

ウェストハムで活躍するボーウェン photo/Getty Images

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普通の代表チームなら招集されているであろう実力者たち

現在のイングランド代表は世界トップレベルのタレント集団となっている。しかし恐ろしいのは、まだ代表デビューしていないハイレベルな実力者がプレミアリーグに複数揃っているところにある。

例えば右サイドバックでは、チェルシーのアカデミーを経てブライトンで超攻撃的サイドバックとしてブレイクする21歳のタリック・ランプティが控えている。まだU-21イングランド代表でのプレイ経験しかなく、A代表からは声がかかっていない。

もっともイングランドの右サイドバックはリヴァプールのトレント・アレクサンダー・アーノルド、チェルシーのリース・ジェイムズ、マンチェスター・シティのカイル・ウォーカーらライバルが揃っており、まだまだランプティは我慢が必要だろう。
センターバックでは好調のウォルバーハンプトンから24歳のマックス・キルマンにも注目したい。195cmのサイズを誇るキルマンは貴重なレフティーのセンターバックで、ウォルバーハンプトンの堅守に大きく貢献している。

今回の代表メンバーにはクリスタル・パレスのマーク・グエイ、同じウォルバーハンプトンのコナー・コーディ、アストン・ヴィラのタイロン・ミングス、マンチェスター・ユナイテッドのハリー・マグワイア、マンチェスター・シティのジョン・ストーンズらがセンターバック枠で招集されているが、キルマンもワールドカップまでにどこかでテストしていいかもしれない。

さらにリヴァプールよりMFカーティス・ジョーンズ(21)、ハーヴェイ・エリオット(18)、アストン・ヴィラよりMFジェイコブ・ラムジー(20)の若手3人も興味深い。まだA代表には早いかもしれないが、3人とも実力は高い。

ジョーンズ、ラムジーはセントラルMFの選手で、アストン・ヴィラのアカデミーから出てきたラムジーは今季プレミアリーグで6得点と好調だ。エリオットは右のウイングとして将来が期待されており、今年のワールドカップは無理でもEURO2024あたりでは戦力になるはず。

ブレントフォードのエース・トニー photo/Getty Images

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W杯までにチャンスはあるか

そして最大の目玉と呼べるのが今季ウェストハムで大ブレイクする25歳のFWジャロッド・ボーウェンだ。ハル・シティを経て2020年にウェストハムへ加入したボーウェンは右サイドを主戦場とするレフティーアタッカーで、今季はリーグ戦で8得点10アシストを記録。

世代別代表の経験もない選手だが、今ではビッグクラブ移籍の可能性も噂されている。十分にA代表でプレイする力はあるはずで、どこかでテストしたい選手だ。

さらに前線ではブレントフォードFWイヴァン・トニー(26)もリーグ戦で11得点と奮闘している。ハリー・ケインをイングランドの前線1番手とするならば、トニーやローマのタミー・エイブラハム、アストン・ヴィラのオリー・ワトキンス、負傷離脱中のエヴァートンFWドミニク・カルバート・ルーウィンらが2番手の座を争うことになる。

トニーはまだA代表の経験はないが、プレミアで二桁得点を決めた実力は評価されるべきだろう。今年中に代表への扉を開きたい。

このタレント力こそ近年のイングランドが評価されている理由で、メンバー争いは一層激しいものとなっている。代表監督ガレス・サウスゲイトにとっては嬉しい悩みで、ワールドカップへの選考にはかなり時間を取られることになりそうだ。

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