「中村俊輔がいたからセルティックへ移籍した」 海外移籍で重要となる先人たちの活躍

中村俊輔と共にセルティックでプレイした水野晃樹(右) photo/Getty images

水野が当時について語っている

日本ではなく、海外を拠点にするサッカー選手は年々増えている。Jリーグを経由せず、海外へ渡る若い選手も増えており、海外移籍が珍しくなくなった。そういった背景もあってか海外の1つのクラブに日本人が多く在籍することもあり、ベルギーのシント・トロイデンやスコットランドのセルティックがそうだ。どちらも日本にゆかりのある人物がクラブ内におり、移籍に携わっている。

2022年となった今では見慣れた光景だが、少し前はそうではなかった。それでも、中村俊輔がセルティックにいた時代には日本から水野晃樹が移籍し、ともにプレイしている。

ジェフユナイテッド市原・千葉でプロデビューし、2008年にセルティックへ移籍した水野。しかし、彼のスキルは存分に発揮されず、1ゴールに終わってしまった。しかしその1ゴールは中村からのアシストであり、セルティックで爪痕を残すことには成功している。

水野は「日本人選手が2人もいて、自分が加入してからセルティックはさらに日本で注目を集めるようになった。フォルカーク戦で中村さんのアシストから自分がゴールを決めたときはすごかった」とスコットランドメディア『Daily Record』にて当時日本でのセルティックの注目度の高さを語っている。

また「今、セルティックには4人の日本人選手がいて、注目度は当時よりも大きい。僕の中で中村さんは大きな存在で、彼を追いたくてセルティックへ移籍した。古橋亨梧、旗手怜央、前田大然、井手口陽介が、セルティックでプレイしたいと望む次の日本人選手のために素晴らしい一歩を踏み出すことを願っている」とも話している。

当たり前の話ではあるが、古橋が加入し、その後旗手、前田、井手口が加わったことで国内のセルティックへの注目度はグッと高まった。実現しなかったが、鹿島アントラーズの荒木遼太郎がリストアップされているとの話も出ており、5人目となる日本人はいつ出てもおかしくはない。

これはセルティックに限った話ではなく、海外のクラブは所属する日本人が活躍すれば、同じ日本人を獲得する傾向にある。今季であればセルティック以外に、遠藤航の所属するシュツットガルトが伊藤洋輝を獲得している。さらにそのシュツットガルトが守田英正を獲得しようとしている話もある。連鎖するのだ。

また、水野が中村を追ったように若い年代が今海外で活躍している選手を目標にしているケースは多いだろう。怪我で離脱中だが、古橋は日本でトップのストライカーに成長しており、彼を目標とし、セルティック移籍を目指す若手はすでにいるかも知れない。

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