毎年塗り替わるチーム内での勢力図 崖っぷちに立たされたスターリングとジェズス

現状では放出候補となっているジェズス photo/Getty images

両者ともに来季で契約が切れる

来夏の移籍市場でストライカーを獲得することを明言したマンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ。多くのストライカーの名前が獲得候補として噂されているが、本命はボルシア・ドルトムントのアーリング・ハーランドだといわれている。

彼がチームに加わることになれば、前線の勢力図は大きく書き換えられることになる。まず、現状偽9番として起用されているフィル・フォーデンがサイド、もしくは中盤にポジションを変更することになるだろう。もちろん、偽9番というオプション自体はチームに残り続けるが、本職のストライカーが来れば彼にセンターフォワードを任せるほうが得点力は上がる。

フォーデンに関しては昨季、多くの試合で左ウイングとして起用されており、高精度のクロスや推進力のあるドリブルで攻撃を活性化させている。そうなれば左ウイングは人員過多気味になる。フォーデンに加え、ジャック・グリーリッシュ、ラヒーム・スターリングとなるわけだ。その中であればグリーリッシュの序列は高い。今夏チームに加入してから試合を重ねるごとにパフォーマンスは良くなっており、ボールを失わず左サイドから圧をかけられるという点では唯一無二だ。スターリングにはこれができないが、ボックス内での一気にフルスピードにまで上げるドリブルは魅力的であり、そこからPKを獲得することもできる。だが、不安定さはスターリングの弱みであり、今の序列でいえばスターリングが3番手となる。

スターリング同様に立場が危ないのが、ガブリエウ・ジェズスだ。右サイドはリヤド・マフレズが当確であり、ジェズスはこのマフレズの牙城を崩せていない。ジェズスの弱みとしてあるのはサイドでプレイする際の個での脅威がそこまで感じられない点だ。ディフェンスラインとの駆け引きでフリーになる能力は別格だが、今のシティであればボールを受ける際は少し下がった位置となるため、彼の強みが活きない。献身性のある守備が素晴らしいが、今ではどの選手も一生懸命守備をするようになっており、差別化点ではなくなってきた。

両者ともに2023年で契約が切れることになっており、クラブ側が契約延長を望まなければ、来夏での売却がベストとなる。英『manchester evening news』によればスターリングにはバルセロナ、ジェズスにはユヴェントスが興味を示しているという。ユヴェントスに関しては今夏の移籍市場でもジェズスに触手を伸ばしていた。

今後を考えるのであれば、より若い24歳のジェズスを残すべきか。今季はそこまで継続した出場機会を得られていないが、6ゴール8アシストを記録している。前述した裏への抜け出しはチーム内でも唯一無二であり、どちらかを放出するのであればスターリングとなる。

コール・パルマーら若手の台頭や毎シーズン入っている新人の影響もあってポジション争いが激しいシティの前線。リーベル・プレートから獲得されたフリアン・アルバレスもトップチームに来季合流するといわれており、ここから誰が脱落し、誰が頭角を現すことになるのだろうか。

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