[4-3-3]か、それとも[3-4-1-2]か カタールW杯に向けて選択迫られるオランダ代表

先日行われたデンマーク代表戦では基本布陣を変更してきたオランダ代表 photo/Getty Images

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浮上する基本布陣変更の可能性

はたして今年12月に開催されるカタールW杯にて、2大会ぶりの出場を掴んだオランダ代表はどのようなシステムで本大会に挑んでくるのだろうか。これまで採用していた基本フォーメーションは[4-3-3]だが、チームを指揮するルイ・ファン・ハール監督はここにきて新たな形に挑戦しようとしている。

その形というのが、現地時間26日に行われたデンマーク代表戦で取り組んだ[3-4-1-2]だ。新しいシステムにトライした結果、オランダ代表はこの試合に4-2で勝利。これにはファン・ハール監督も手応えを感じているようで、今後は[3-4-1-2]を基軸としてカタールW杯への調整を進める方針を打ち出したと蘭『De Telegraaf』が伝えている状況だ。

しかし、指揮官が新たなシステムにポジティブな印象を持った一方で、チーム内ではこの[3-4-1-2]への方針転換に疑問を抱いているとされる選手もいる。その筆頭格とされるのが、主将を務めるDFフィルジル・ファン・ダイクだ。同選手はこのシステムを状況次第で使用することに関しては理解を示しているようだが、まだ基本フォメーションとすることに関しては納得していない様子。実際、デンマーク代表戦後のインタビューでは「個人的には[4-3-3]のほうがプレイしやすい」とのコメントを残しており、[4-3-3]へのこだわりを感じさせる面をのぞかせている。
これは非常に難しい問題と言えよう。とはいえ、W杯開幕まで1年を切った段階で基本フォーメーションを大幅に変えることには、多少なりともリスクが伴うことは間違いない。加えて、ファン・ダイクやマタイス・デ・リフト、フレンキー・デ・ヨングといった主力選手の多くは、所属チームでは基本的に[4-3-3]でプレイしている。今回のデンマーク戦で一定の成果を挙げたとはいえ、やはりオランダ代表にとって無難な選択肢は[3-4-1-2]よりも[4-3-3]なのかもしれない。

今後ファン・ハール監督はどのような選択をしてくるかには注目が集まる photo/Getty Images

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[3-4-2-1]がどこまで通用するかはドイツ戦で見極めか

そう考えると、最も現実的な案は[4-3-3]を基本フォーメーションとし、試合展開によって[3-4-1-2]にも変化するというやり方か。欧州予選では[4-3-3]で比較的安定した戦いぶりを見せていただけに、この形をいきなり捨ててしまうのは少々もったいない気も。もし[3-4-1-2]を使用するのであれば、劣勢時にデンゼル・ダンフリースなどの攻撃力に秀でたウイングバックを使いながら押し込みにかかる場面が無難と言えるだろう。

昨夏開催されたEURO2020では[3-4-1-2]を採用していたものの、FIFAランキング上位勢と対戦する前にトーナメントから姿を消してしまったオランダ代表。同システムがどこまで通用するかには、現時点でまだ疑問の余地が残ると言わざるを得ない。

まだ見極めが必要そうな[3-4-1-2]への移行だが、はたして彼らは今後どのような方向でチームの調整を進めてくるのだろうか。幸いにも、現地時間29日に行われる次戦の相手は強豪・ドイツ代表。どちらのシステムも無難にこなせる選手は揃っているが、この試合で新しい形がどこまで通用するかは一つの重要な判断材料となりそうだ。

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