前半とは一転、躍動した後半の16分間 一瞬の閃きを見せた久保建英のベストポジションは?

ウイングで起用され、後半からはトップ下でプレイした久保建英 photo/Getty images

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久保はフルタイムでのプレイが見たかった

ベトナム代表と対戦し、1-1でのドロー決着となった日本代表。これで長かったアジア最終予選も終わり、次回は11月に開催されるワールドカップ・カタール大会に臨むことになる。それまではテストゲームであり、引き分けとなったがこのベトナム戦も収穫のある試合であった。

ベトナム戦で得た収穫といえば、久保建英の起用法だ。アジア最終予選2節中国戦ではトップ下での起用だった久保だが、それ以降は怪我もあって出番は少ない。ベトナム戦は中国戦以来のスタメン復帰となった。

システムはおなじみの[4-3-3]であり、久保は伊東純也に代わって右ウイングで起用されている。しかし、この起用法が久保には合わなかったようで、彼の持つ本来の実力は発揮されなかった。特に突破力を求められる一対一の場面では後手を踏むことが多く、自然と三笘薫の待つ左サイドにボールが集まっている。

それでも、後半になって久保のパフォーマンスは上がった。後半頭に伊東を入れたことでシステムを[4-2-3-1]に変更し、久保は前線でのフリーマンのようなタスクを与えられた。これが大当たりだった。ボールのある場所に動き、3人目として顔を出して攻撃を活性化。狭いエリアでのアイデアと打開力は久保の十八番であり、60分の場面では柴崎岳からパスを受けて前を向くと、上田綺世とのワンツーで相手をかわして左足でミドルシュートを放っている。これは残念ながら相手の守護神に防がれたが、彼の武器である狭いエリアでの一瞬の閃きが見られる場面となった。

久保が代表で活躍するのであれば、この一瞬の閃きを生かすことができるトップ下が最適だ。サイドだと前述したように一対一での突破が求められ、彼の良さが生きない。この試合では良さが見えたタイミングで南野拓実との交代となったが、自身の強みを見せられるゲームになったことは間違いない。

前半は消化不良となるも、後半は短い時間で輝きを見せた久保。彼の持つ一瞬の閃きは代表でもトップクラスであり、カタール大会までのポジション争いでゴールという明確な結果を残したい。

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