鎌田や久保が再び“日本のエース”に? [4-3-3]ではなく[4-2-3-1]で機能した日本代表の攻撃

フランクフルトで活躍する鎌田大地 photo/Getty images

ベトナム戦の後半は鎌田や久保らに希望を与えた

ホームでのオーストラリア戦から[4-3-3]にシステムを変更し、成功を収めた日本代表。特に中盤の遠藤航、田中碧、守田英正の働きは素晴らしく、以前の[4-2-3-1]に戻ることはないかと思われていたが、ベトナム戦の後半は田中と守田のダブルボランチに南野拓実のトップ下という配置になっており、それでも十分に通用していた。もちろん、相手が格下のベトナムであり、そこまで守備に気を使う必要のなかった試合ではあるが、[4-2-3-1]でも攻撃が機能するということは嬉しいニュースだ。

具体的にいえば、中盤をダブルボランチにすることでトップ下が復活するのだ。トップ下で輝く選手は日本に多く、南野のほか久保建英、鎌田大地と、定位置を掴めていない選手にもよりスポットライトが当たることになる。

久保のトップ下での輝きはベトナム戦での後半短い時間でよくわかった。一瞬で相手をかわすテクニックを持っており、それが輝くのはサイドではなく、中央のバイタルエリアと呼ばれる位置だ。そこで攻撃に違いを見せられるのであれば、日本の攻撃力が底上げされることになる。

鎌田も同様であり、彼のバイタルエリアでのアイデアは素晴らしい。アジア最終予選序盤はその位置で起用されていたが、機能していなかった。しかし、今の鎌田はフランクフルトでしっかりゴールに絡んでいる。直近5試合で2ゴール1アシストは見事な数字であり、彼の攻撃力を生かさない手はない。

どうしても伊東や三笘薫の突破力に頼りがちな今の日本代表の攻撃。もちろん、それで十分という声もあるが、彼らがベトナム戦のように思ったよりも機能しなかった場合に中央から相手の守備陣を崩すことができれば、さらに選択肢が増えて攻撃力が増すことになる。オプションは豊富であればあるほどによく、[4-3-3]だけでなく、トップ下を復活させた[4-2-3-1]を併用することは今後必須となりそうだ。

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