成長のカギは新ポジションの習得? レアル・マドリード復帰が噂される久保建英のこれから

まだ20歳と伸びしろだらけな久保建英 photo/Getty images

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これからどのように成長していくのだろうか

スペインの名門バルセロナとレアル・マドリードの両クラブに在籍し、現在は20歳にして日本代表に選出されている久保建英。フル代表では主力とはなっていないが、今後のサムライブルーは間違いなく、彼が中心にサッカーが作られるはずだ。

そんな久保だが、現在は保有元のレアルからマジョルカにローン移籍しており、来季のトップチーム復帰が噂されている。スペインメディアである『TodoFichajes』は22-23シーズンのスカッドに久保は確実に入ると報じており、日本の至宝のレアル復帰は時間の問題なのかもしれない。

しかし、気になるポイントはいくつかある。久保が起用されるポジションだ。今のレアルは[4-3-3]を採用しており、久保は右ウイングでの起用が予想されている。ライバルがマルコ・アセンシオやロドリゴらとなるが、両者ともに序列を下げており、ロドリゴは移籍の話が出てきた。ニューカッスルをはじめとするプレミアのクラブが獲得を希望しているとの話もあり、久保が出場機会を得られる見込みは出ている。

だが、久保もその右ウイングでどこまでやれるかは未知数だ。マジョルカでは右サイドハーフとして数字を残したが、レアルの右ウイングとなればまた違う。自陣に引いた相手を個や周囲との連携で崩す必要がある。

まだ20歳と若く、伸びしろだらけの選手であり、その位置でプレイすることでそういった個での強さは成長するとの意見もあるが、中央でのアイデアを生かすのであればインサイドハーフの習得が今後の幅を広げる鍵となるかもしれない。基本的に久保はトップ下で輝く選手であり、1-1で引き分けとなったベトナム戦との日本代表戦の後半は伊東純也が右サイドに入ったことで前線のフリーマンのような形で攻撃に関わっていた。この起用法がハマっており、ペナルティエリア手前の位置から素晴らしいミドルシュートを放つ場面も見られている。だが、レアルにトップ下というポジションはなく、それでもインサイドハーフであれば高い位置を取って疑似的にトップ下として振舞うことはできる。レアルはボールを持って相手を押し込むことも多く、久保が得意とする狭いエリアでの一瞬の閃きを活用しやすくなるだろう。

そこで大事になるのは守備強度だ。インサイドハーフは攻守両面での安定感が求められるポジションであり、今のレアルではルカ・モドリッチやトニ・クロース、フェデリコ・バルベルデらが起用されている。彼らはドリブルやパス、シュートで攻撃を活性化しつつ、守備にも走ることができる選手であり、久保はその道を目指すのも悪くない。また、久保の古巣であるバルセロナもそうだが、マンチェスター・シティやリヴァプールといった各国のトップクラブもトップ下を採用しないシステムを使っていることが多く、そういった面でもインサイドハーフの習得は久保の大きな成長につながるだろう。

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