マフレズ、井手口ら若き才能の発掘も “4か国”をW杯へ導くハリルホジッチの手腕

何かと衝突の多い監督でもあるが…… photo/Getty Images

モロッコ代表をW杯へ導いた

果たしてワールドカップ・カタール大会ではどんな采配を見せてくるのか。現在モロッコ代表を指揮するヴァイッド・ハリルホジッチ元日本代表監督は、アフリカ3次予選でコンゴ民主共和国を撃破してカタール大会出場を決めた。

これでハリルホジッチは2008年から2年間指揮したコートジボワール代表、2011年から3年間指揮したアルジェリア代表、2015年から3年間指揮した日本代表、そして2019年から指揮する現在のモロッコ代表と、4つの国をワールドカップへ導いた珍しいキャリアの持ち主となった。

ただ、実際にワールドカップ本大会を指揮したのはアルジェリア代表の1度のみだ。2014年のブラジル大会ではアルジェリアをベスト16へ導いており、ハリルホジッチは在任中にMFリヤド・マフレズ、DFアイサ・マンディ、ファウジ・グラム、FWヤシン・ブラヒミ、MFナビル・ベンタレブなど当時若かった逸材を次々とデビューさせている。彼らは今や世界的に有名な存在となっており、ハリルホジッチの目の付け所はなかなかに面白い。

決してスマートな指揮官とは言えず、自身の哲学を曲げないことから選手と衝突することも少なくない。現在のモロッコ代表でもMFハキム・ツィエク、DFノゼア・マズラウィなど一部代表を外れている実力者がいるが、あまり関係は良好とは言えない。

しかし、決して世界の強豪とは言えない上記4ヶ国をワールドカップ本大会へ導いてきた実績は見事だ。日本代表でもMF井手口陽介、FW中島翔哉、久保裕也など若い選手を積極的に試し、そうした若い力を引き出しながらアジア最終予選を勝ち抜いた。

ロシア大会では西野朗監督に引き継がれたが、ハリルホジッチが口酸っぱく言っていたデュエルのワードは日本サッカー界にも浸透している。

残念ながらコートジボワールと日本ではワールドカップ出場を決めてから解任されてしまい、まだアルジェリア代表の1度しかワールドカップ本大会を経験していないのは寂しいものがある。モロッコでは同じトラブルは避けたいが、本大会でチームをベスト16へ導けるだろうか。

パリ・サンジェルマンDFアクラフ・ハキミ、ウォルバーハンプトンDFロマン・サイス、セビージャGKヤシン・ブヌ、FWユセフ・エン・ネシリ、アンジェMFソフィアン・ブファルなど現在のモロッコには興味深い選手も揃っており、2014年当時のアルジェリアより面子は豪華と言っていい。ハリル流がカタールの地でどう花開くのか楽しみだ。

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