攻守で輝く真のエースストライカーに 小川航基が横浜FCで得点を量産しているわけ

またゴールを決めた小川航基 photo/Getty images

エースストライカーとしての小川が帰ってきた

開幕からここまで7勝1分と未だ無敗を誇っている横浜FC。すでに2位の東京ヴェルディとは勝ち点差が4ポイントになっており、ここから勝利を継続できれば1年でJ1に戻ることは可能だ。

そんな横浜FCだが、今季は頼れるストライカーがおり、ここまで8試合で7ゴールを決めている。現時点でJ2得点王のFW小川航基だ。

桐光学園で冬の高校サッカー選手権に出場し、一躍注目を集めた小川。その後はジュビロ磐田でプロ入りし、今季から横浜FCでプレイしている。世代別の日本代表ではエースストライカーだった過去を持ち、今季はさらにその才能が開花しようとしている。

ジュビロでは本来の姿を見せられなかった小川だが、横浜FCではすでにチームメイトとの連携がしっかりしており、特に3トップを組む長谷川竜也と伊藤翔との関係が素晴らしい。攻撃時には同サイドに固まって攻めることが多く、距離感が絶妙だ。味方がボールを持っていなければスペースに走るデコイランを欠かさないため、小川が持てば伊藤と長谷川が動く、長谷川が持てば小川と伊藤が動く約束事がしっかりしており、ボールホルダーがバイタルエリアで余裕を持ってプレイすることができる。小川はストライカーとしてのイメージが強かったが、バイタルエリアでボールを持てばパス、ドリブル、シュートと選択肢の多いアタッカーとしての顔を見せ、J2レベルであれば得点を量産するのも不思議ではない。これは長谷川、伊藤も同様であり、伊藤はここまで4点を取っている。

この3トップは攻撃だけでなく、守備でも機能する。横浜FCはボールを失ってもすぐに切り替えて守備を行えるチームであり、この3トップがファーストディフェンダーとして役目を実行する。それがハマると次は中盤の選手が前に出てプレスを行い、FC琉球戦での小川のゴールはまさにその守備から生まれている。小川のシュートも見事だったが、チームが連動したハイプレスを行ったことで奪えた1点だろう。

強力な相棒たちと共に前線で躍動し、ここまで7ゴールを奪っている小川。キャリアハイは2020年の磐田時代の9ゴールであり、この序盤戦で小川は記録を更新するのだろうか。次節は10日のジェフユナイテッド市原・千葉戦であり、小川のゴールに期待だ。

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