日本代表の中盤はより守備的にすべし? 闘莉王も推薦するボックス・トゥ・ボックスを体現する男

名古屋グランパスで高いパフォーマンスを披露する稲垣祥 photo/Getty images

期待だ

アジア最終予選第9節でオーストラリア代表に勝利し、ワールドカップ・カタール大会行きを決めた日本代表。すでに本大会でのグループステージの抽選会は行われており、日本はスペイン、ドイツ、そしてコスタリカとニュージーランドのプレイオフの勝者と同組のグループEとなった。強豪ばかりではあるが、目標の8強入りを達成するには負けられる試合はなく、残りの親善試合で対策を練る必要がある。

スペイン、ドイツと欧州でも屈指の完成度をもつ2カ国との対戦となるわけだが、アジア最終予選のように主導権を握った戦いは見込めないだろう。ポール支配率が70%を超えるのも珍しくないチームであり、日本は守備の時間が多くなると予想できる。であれば、最低限のアタッカーを残して自陣に引くのが定石となるが、現状の代表メンバーは少し攻撃的すぎる。

例えば中盤はアンカーの前にインサイドハーフを2枚置くシステムとなっている。先発は遠藤航、田中碧、守田英正と非常にバランスが取れているのだが、控えに原口しか守備に重きを置いた選手がいないのは苦しい。カタールでの戦い方を予想するのであれば、攻撃は前線に任せ、中盤はより守備に重心を置きたい。具体的には柴崎や旗手ではなく、名古屋グランパスの稲垣祥のような人材を招集したい。

ヴァンフォーレ甲府、サンフレッチェ広島を経て2020年から名古屋でプレイする稲垣。加入初年度から主力としてピッチに立っており、昨季は全38試合に出場。8ゴール2アシストと得点面でも大きな貢献を残した。

攻守両面で輝くことが可能な選手であり、豊富な運動量を武器とするボックス・トゥ・ボックスのスタイルを持っている。攻撃ではパスを捌いて前進でき、バイタルエリアでは自慢の正確なミドルシュートが火を吹く。中盤、特にインサイドハーフの得点力は今の代表に必要な能力の一つであり、それを森保一監督は柴崎に求めているのだといえるが、より守備的でミドルシュートも打てる稲垣が今大会にはマッチしていると思われる。

元日本代表の田中碧マルクス闘莉王氏も、稲垣を日本代表に推薦する一人だ。自身のYouTubeチャンネル『闘莉王TV』では先日、「これが現時点の最強JAPAN! 闘莉王がカタールW杯登録メンバー23選手を選出してみた」という動画が公開され、闘莉王氏は中盤に稲垣を選出している。中盤に柴崎と稲垣が名を連ねており、稲垣の持つ守備面での貢献度が評価されたのだろう。

日本代表は6月にキリンチャレンジカップにて4試合の親善試合を予定している。9月にも親善試合が予定されているが、そこで新戦力を試す時間はなく、現実的なのは6月だ。ここには稲垣含めここまで選ばれなかった選手が招集されると予想でき、そこでの活躍に期待だ。

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