3連勝でいつの間にかトッテナムが4位に 新加入と既存戦力を上手く融合させたコンテ・マジック

トッテナムで改革を起こすアントニオ・コンテ photo/Getty images

さすがの手腕だ

ヌーノ・エスピリト・サントを指揮官としてシーズンをスタートさせるも上手くいかず、アントニオ・コンテを招聘したトッテナム。就任当初は難しいゲームもあったが、直近のリーグ戦では3連勝を達成しており、コンテの就任は大成功といっていい。

プレミアでもCL出場権を獲得できる4位につけており、好調を維持しているわけだが、夏と冬の補強が成果を見せている。

夏はやはり、クリスティアン・ロメロの加入だ。怪我で一時離脱する時期もあったが、今ではロメロを含むエリック・ダイアーとベン・デイビスの3バックが鉄板となっている。ロメロの良さは攻守両面で輝く能力を持っていることであり、攻撃面では高い位置でのビルドアップ参加、守備面では対人性能の高さがチームを支えている。冬はロドリゴ・ベンタンクールとデヤン・クルゼフスキの2人だ。ベンタンクールは事前評価通りの守備力を見せており、配球面は改善の必要アリといわれていたが、そんなことはなかった。器用にさばける選手であり、ピエール・エミール・ホイビュルクとの中盤も最終ライン同様に鉄板の並びとなった。

クルゼフスキも大当たりだった。推進力のあるドリブル、キープ力、チャンスメイク力、守備力とどの数値も高水準であり、ケイン、ソンの負担を減らしている。ローン移籍から完全移籍に移行するとの話も出ており、今季はロメロ、ベンタンクール、クルゼフスキとセリエAからやってきた3人が大当たりとなった。

これだけでも十分に戦力は底上げされたが、新加入組に加えて既存戦力もコンテの起用に応えようと奮闘している。最終ラインであればデイビスだ。ここまでは万能なバックアッパーという印象だったが、3バックの左で自身の地位を確立した。3バックで唯一の左利きであることが強みで、ビルドアップで活躍している。マット・ドハーティの活躍も嬉しい誤算だ。ウルブズからやってきたあと、思ったような活躍はできずにくすぶっていたが、突然チャンスメイク力が開花。ウイングバックの位置からケインのようなアイデアパスを見せ、攻撃を活性化させている。しかも、両サイドでプレイできるユーティリティ性もあり、ひそかにスパーズで再ブレイクしている一人だ。

新加入組、既存戦力組を上手く自身の得意とする3バックに当てはめたコンテ。インテルやチェルシーで成功を収めたその手腕はさすがであり、来夏でさらに適切な補強を行うことができれば、リヴァプールらトップ3に追いつく実力はあるといえる。

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