パリ世代からの抜擢や再ブレイクするストライカーも 日本代表の勢力図を塗り替えられる5人の俊英たち

柏レイソルで絶好調の細谷真大 photo/Getty images

ヒーローを見つけろ

ワールドカップ・カタール大会行きを決め、ひとまず安心できるようになった日本代表。ここからカタールに向けて約7カ月であり、やれることをやっていきたい。

そこで期待したいのは田中碧や三笘薫のようにアジア最終予選でヒーローとなった選手を再び見つけることである。彼らは東京五輪や川崎フロンターレでの活躍を評価され起用され、結果を残した。田中は1戦目のオーストラリア戦、三笘は2戦目のオーストラリア戦とどちらも大一番で活躍しており、こういった戦力を底上げできる選手が今の代表には欲しい。これは確定ではないが、登録メンバーを23人から26人に増やすとの話も出ており、そうなれば招集メンバーに余裕が生まれる。

海外で活躍しているFWであればシント・トロイデンの原大智の名前が挙がる。やはり、191cmと日本人離れしたサイズは大きな武器であり、対戦が決まっているドイツ代表のアントニオ・リュディガーは190cmと、サイズでは原が上回っている。1cmの差であり、実際はそこまで有利とはいえないが、そもそも海外のCBと同じ高さで競り合える選手は少なく、足元の技術の高い長身FWとして呼びたい。

国内であれば柏レイソルの細谷真大が今季ここまで3ゴールと調子がよく、開幕から5勝1分1敗のチームを支えている。パリ五輪を目指す代表でのトップストライカーであり、ドバイカップの最終節サウジアラビア戦ではゴールを決めた。今勢いに乗っている選手であり、20歳という若さを考えれば彼を抜擢し、次世代のストライカーとして経験を積ませるのも悪くない。

五輪の世代のストライカーといえば横浜FCの小川航基が再ブレイクを果たしている。J2ではあるが、開幕から8試合で7ゴールと絶好調であり、すでにキャリアハイを超える勢いを見せている。これをシーズン終盤まで継続できれば素晴らしく、最終節のちょうど一か月後に本大会を迎えることになる。そうなれば勢いという点を見込み招集するのも面白く、彼のポテンシャルにかけるのも悪くない。

サイドアタッカーであれば、ビーレフェルトの奥川雅也の名前が挙がる。ここまで8ゴールとチームの得点源として活躍しており、ゴール前での技術を磨いている。特にオフザボールは大きな武器であり、ドイツ代表相手に通用するのかは見ものだ。奥川の武器は攻撃だけでなく、献身性のある守備も魅力であり、強度の高い守備を前線から提供することができる。スピードという面では三笘や浅野拓磨らに劣るかもしれないが、ゴール前の一発を考えれば競争できるだけの力は持っている。

堂安は前述した選手よりは代表でのイメージは強いのだが、それは東京五輪の話であり、フル代表での存在感はそこまで大きなものではない。それでも、PSVで残している実績は素晴らしく、リーグ戦では6ゴール1アシストを記録。サイドだけでなく、内に流れての仕事も可能であり、プレイのバリエーションが豊富だ。パンチ力のあるミドルシュートを持っており、今の代表にない武器を提供してくれる。

このように国内外には面白い人材が多く眠っている。細谷や小川あたりは可能性としては低いが、所属クラブで見せているパフォーマンスピカイチであり、前述した5人の中で6月のキリンチャレンジカップに選ばれる選手はいるのだろうか。

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