奥川雅也得点量産の裏にいるパサーの存在 ビーレフェルトを支える“オーストリアの至宝”は降格危機を救えるか

ビーレフェルトでプレイするパトリック・ヴィマー photo/Getty images

ドリブルにパスと高水準だ

複数の日本人選手がプレイするドイツのブンデスリーガ。個人の活躍でいえばビーレフェルトの奥川雅也がここまで8ゴールを決めてチームをけん引している。しかし、それでも直近の5戦で白星がなく、16位とこのままでは降格プレイオフを戦うことになっている。リーグ戦は残り6試合であり、ここからは一つも落とせない試合が続くことになる。そこで注目となるのはもちろん奥川だが、20歳の若いMFパトリック・ヴィマーという選手にも期待したい。

昨季までは母国オーストリアのアウストリア・ウィーンでプレイしており、今夏の移籍市場で初の5大リーグ挑戦となっているヴィマー。今季はここまで25試合に出場しており、3ゴール6アシストと十分な数字を残している。

推進力のあるドリブルを武器に突破し、そこからのパスやシュートをヴィマーは得意としている。奥川はオフザボールの動きでここまで得点を量産しているが、ヴィマーはその逆で、ボールを持った状態で輝く選手だ。ドリブル成功数55回、地上戦でのデュエル勝利数126回はチームトップであり、キーパス34回はアレッサンドロ・シェプフに続くチームで2番目の数字と、今季加入ながら多くのスタッツで上位にランクインしている。前線での動き出しを得意とする奥川とパスを出せるヴィマーの相性はよく、6アシストのうち、4アシストが奥川のゴールで記録したものである。

FIFAやUEFAの関連研究機関である『CIES Football Observatory』が21歳以下の選手を対象に今季のパフォーマンス、チーム内での役割など独自の方法で採点しており、100位までをランク付けしている。1位はアーセナルのブカヨ・サカであり、3位にヴィマーが選出されている。4位にライプツィヒのヨシュコ・バルディオル、5位にクリスタル・パレスのミカエル・オリーズらを抑えての3位であり、今季の評価の高さがうかがえる。

勝てていない5試合で得点数が1点と、決定力不足に悩まされているビーレフェルト。それでも、奥川とヴィマーのコンビは強力であり、残りの6試合で結果を残し、来季もブンデスリーガでプレイすることができるのだろうか(データは『SofaScore』より)。

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